農業機械の大手総合メーカー井関農機(株)(中野弘之社長)では、12月11日、茨城県つくばみらい市の同社中央研修所において、ポストハーベスト関連機器をはじめ、国内5品目10型式1システム、海外(欧州・オセアニア)向け2品目5型式の、平成19年度上期新商品発表会を開催した。
新商品発表会の冒頭、中野社長は「戦後最大の農政改革が進められており、農業の二極化はさらに進むと思われるが、この変化を多様化、活性化という視点で捉え、鋭意努力していきたい」と挨拶した。
続けて「この度の新製品は、大規模農家から兼業農家まで、多様化する農家ニーズに自信を持って応えることの出来る商品だ。おかげで弊社は今年も、全産業で特許取得率第一位となった」と述べ、<技術のヰセキ>を強調した。
この度発表された新商品の中から、今回は好評の小型コンバイン『フロンティア ビバ』の基本性能を大幅に向上させた、2条刈コンバイン3型式を紹介する。
小型で使い易いコンバインとして『フロンティア ビバ』HVAシリーズは、平成13年の発売以来、西南暖地や中山間地、都市近郊の小区画圃場のユーザーから高い評価を受けてきた。今回は、HVAシリーズのエンジン出力、刈り取り作業速度をアップさせ、グレンタンクの容量増加を図るなど、基本性能を向上させたが、価格は抑えてHVBシリーズとして新発売した。
1. |
基本性能の充実 |
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○ |
ボディーサイズはそのままに、ワンランク上の大排気量エンジンを搭載。悪条件下でも安定した力強い作業が可能(HVB213・217)。HVB217は0.9/sの刈り取り速度を実現。スピーディーな作業が行える。 |
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○ |
従来より容量が70L増加した、大容量の400Lグレンタンクを標準装備。効率の良い連続作業が可能となった(G型)。 |
2. |
刈りやすさ、使い易さを追求 |
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○ |
油圧無段変速装置(HST)の搭載により、クラッチを踏むことなく、速度の変更、前・後進の切替がレバー1本で出来る。またゼロ発進が可能であり、低速での圃場出入りが安心して行える。 |
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○ |
主変速レバーの根本に、補助スプリングを追加したので、主変速レバーのブレーキ荷重を軽減でき、軽快操作を実現した。 |
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○ |
主変速レバーの中立位置に駐車ブレーキの解除機能を設置、駐車ブレーキ解除時は必ず本機が停止する状態となる。これにより誤操作によるダッシングの恐れが無く安全である。 |
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オーガ長を手動で750mm伸び縮みできる手動ズームオーガ仕様(2450mm〜3200mm)と、電動モータで860mm伸び縮みできる電動ズームオーガ仕様(2440mmから3300mm)の2タイプを準備。折りたたみ式オーガや長尺オーガなどで、作業前後の組み立て、収納の煩わしさ、不便さを解決したなど。
価格はHVB213KWCで180万6000円、HVB217GZAWCが265万6500円。12月より全国販売を開始した。 |