株式会社サタケ(本社:東広島市・佐竹利子代表)は、独自の光学技術と高速画像処理技術により、玄米中の胴割粒を高速で認識し、除去する世界初の『胴割選別機』を、9月10日に発売した。
胴割粒は、胚乳部に亀裂が生じている米粒のことで、籾が急激な乾燥または吸湿した場合などに起こる。外観や品質(食味など)に悪影響を及ぼすほか、精米時の砕米発生を助長する要因にもなる。胴割選別機は、この玄米中の胴割粒を高速で認識し、除去する装置で、玄米の等級や品質(食味・砕米・炊飯特性など)を向上させることができる。
これまで、異物や着色粒を除去する光選別機はあったが、胴割粒を高速で選別する技術は確立されておらず、長年の課題だった。
サタケは、広島県立総合技術研究所西部工業技術センター(広島県呉市)と広島大学大学院先端物質科学研究所(広島県東広島市)との共同開発により、昨年、高速画像処理技術を応用した世界初の胴割選別機の技術を確立し、本年の商品化を目指していた。
この開発には、光選別機の開発・商品化で培った光学技術のほか、米粒の整列や胴割部分を画像撮影するための照明方法、高速化を可能にする集積回路(LSI)などの新しい技術を採用した。
販売機種は、1次選別のみで処理能力3.6t/hの「RCGS560IE」と、2次選別(2段階選別)付きで同2.4t/hの「RCGS560AIS」の2機種で、価格は共に3150万円(税込み)。同社ではJAや営農集団への販売を見込んでいる。
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