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プリムラの灰色かび病
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出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京都千代田区)はさきごろ、主力の微生物防除剤『ボトキラー水和剤』での、「花き類・観葉植物灰色かび病」と「イチゴうどんこ病」への適用拡大を果たした。「ダクト内投入」の幅をいっそう広げる。
花き類の「灰色かび病」はパンジー、シクラメン、トルコギキョウなどの花弁に「しみ状」の病斑が発生し、商品価値を著しく低下させる致命的ともいわれる病害。
また、イチゴの重要病害とされる「うどんこ病」は、葉や果実の表面が「うどん粉をまぶしたように白くなる」病害で、これも商品価値においては致命傷となる。
今回、新たに2つの適用病害が追加された『ボトキラー水和剤』は、既存の化学農薬に対する耐性菌にも予防効果があり、安全性の高い納豆菌の一種であるバチルスズブチリス菌を有効成分とした微生物防除剤に位置づけられる。
「ダクト内投入」とは、岐阜県と同社が共同開発した使用方法で、本剤のみの登録となっている。「ダクト」に微生物防除剤を粉末のまま投入し、暖房機の温風に乗せてハウス全体に散布する方法。
水を必要としないことから、施設内の湿度を上昇させることなく、作業の省力化や防除効果の安定化をはかることができるほか、作物への汚れもほとんどなく、収穫時期にも安心して使用できるメリットがある。
特に、現在では、花き類に登録がある農薬は少なく防除手段の拡充が求められているが、今回の適用拡大により「ボトキラー」は、花き類の新たな病害防除技術の1つとして期待される。
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