出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京・千代田区)は3月16日、サッチ分解促進剤『イデコンポN8』を新発売した。サッチ分解力が同社先行剤の約3倍に高められ、NPKの含有量もアップし肥料機能もいっそう向上させた。
「サッチ」とは芝生の刈りかすのこと。「サッチ」が過剰に堆積すると、透水性の悪化や病害虫のすみかとなり、芝生の健全な育成の阻害要因になりやすい。通常、ゴルフ場・競技場・公園では、芝生を刈り取った後、刈りかすを産業廃棄物として処分している。
『イデコンポN8』は、納豆菌の仲間であるバチルス・ピュミリス菌がセルラーゼと呼ばれる植物残渣を分解する酵素を産出し、サッチ層を分解する。また、サッチを堆肥化し芝生に還元することで、環境負荷低減にもつながる。
同社はこれまで、「イデコンポシリーズ」として、ゴルフ場フェアウェイ・競技場用の『イデコンポ21』(2001年)、ゴルフ場グリーン用の『イデコンポG』(2003年)を市場投入し、国内のゴルフ場約2400か所のうち約600か所で採用されているが、新製品の市場投入で倍増の約1200か所での採用を目指す。
『イデコンポN8』は、『イデコンポ21S』(注)に比べて、サッチ分解力が約3倍に高められたほか、肥料の含有量を「N(窒素)4%−P(リン酸)3%−K(カリウム)1%」から「N8%−P7%−K6%」にアップさせ、肥料機能をいっそう向上させた。
希望小売価格は3200円(15kg袋)。シリーズ全体で、約30%の売上増を見込んでいる。
(注)2006年に崩壊性を改良したことから、『イデコンポ21』は『イデコンポ21S』に切り替えられた。Sは、「スーパー」の意。
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