|
ホウレンソウのF1新品種
『トラッド7』(左)『クロノス』(右)の青果物 |
(株)サカタのタネ(坂田宏社長、本社:横浜市都筑区)では、9月22日よりべと病R(レース)-1〜7(注1)抵抗性を備えた秋まき用ホウレンソウのF1新品種として、超多収タイプの『トラッド7』および極濃緑タイプの『クロノス』の種子を販売する。
ホウレンソウ栽培で問題視されているのがべと病で、直接、減収に影響してくる。特に、作付面積が拡大する秋には被害が広がりやすい。ちなみに、現在、国内におけるべと病の病原菌はR-7までが確認されている。
べと病R-7に抵抗性を有している品種はすでに存在しているが、今回発売されるべと病R-7抵抗性品種の『トラッド7』は超多収タイプで、『クロノス』は葉色が極濃緑タイプの新品種に位置づけられる。
2品種とも立性(注2)であることから、収穫・袋詰め作業に優れているほか、強健で、低温期でも休むことなく成長する、いわゆる低温伸長性のある生産しやすい品種に仕上げられていることから、総合的に見て既存品種に優先する品種と思われる。
作型は、寒冷地の9月中旬〜10月上旬まき、温暖地・暖地の10月上旬〜12月まきにもっとも適した秋まき用の品種。
同社は、ホウレンソウの国内トップシェアを誇る。既存品種に総合力で勝る2品種を、秋まき用ホウレンソウの主力品種として積極的に拡販していく。
税込希望小売価格は、プライマックス(注3)種子Mサイズ3万粒入り袋4095円。初年度の販売目標は、2品種で1億5000万円。
(注1)R(レース)とは、病原菌の系統のこと。品種育成により作られた病害抵抗性品種に罹病(感染)できる病原菌ができるたびにR数は増える。ホウレンソウのべと病は、国内ではR-7までが確認されている。
(注2)立性の品種は、隣の株と葉が絡まないことから収穫しやすく、また、集荷の際に袋詰めしやすいなど作業性を高める。
(注3)発芽をよくするために種子に施す特殊処理。登録商標。
|