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ゴールドラッシュ86 |
(株)サカタのタネ(坂田宏社長、本社:横浜市都筑区)は2月1日、スイートコーン2品種『ゴールドラッシュ86(はちじゅうろく)』『ゴールドラッシュ88(はちじゅうはち)』の種子を新発売した。これにより、国内スイートコーン産地の作型を全てカバーするラインアップが完成したことになる。
同社では、2004年1月から高品質・イエロータイプ(注1)のスイートコーンの早生タイプ『みわくのコーン ゴールドラッシュ』(以下、「ゴールドラッシュ」)の種子を発売。以来、同品種はその食味のよさと栽培のしやすさで人気を呼び、年々作付面積が拡大している。
今回の品種は、待望の中早生タイプで温暖地向けの『ゴールドラッシュ86』と、中生タイプで寒冷地向けの『ゴールドラッシュ88』の2種類。
従来の「ゴールドラッシュ」の特長である、粒皮が極めてやわらかく、皮の残りが少なく後味がすっきりし、さわやかな甘みといった品質の高さと、高発芽率、低温伸長性、安定した収量性などの栽培のしやすさはそのままに、より幅広い産地や作型での対応を可能にした待望の新品種。
販売は、全国の種苗店ルートを通じて行い、税込み希望小売価格は、2000粒入り袋5145円。初年度の販売目標は、新発売の2品種で1億5800万円を見込んでいる。
【解説】近年、スイートコーン市場は、かつてのバイカラータイプ(注2)から、そのほとんどが高品質・イエロータイプにシフトしてきている。同タイプは、粒皮がやわらかく、甘みが強いなどの特長があり、それが消費者に高く評価されたもので、今日ではスイートコーンの定番となっている。
この高品質・イエロータイプの普及に、「ゴールドラッシュ」の果たした役割は大きい。
それまで低温期に栽培を開始する早生の作型で、高品質・イエロータイプの品種は、発芽や低温下での初期成長(低温伸長性)が悪いため管理しにくいといった課題が指摘されていた。この課題を払拭したのが「ゴールドラッシュ」で、消費者のニーズである品質の高さと、生産者が求める栽培のしやすさの両方を兼ね備えた品種として高く評価された。
この「ゴールドラッシュ」の高い評価を受け、生産者や市場からの強い要望により、従来の早生タイプに加え、より幅広い産地と作型に対応しうる中早生、中生タイプとして登場したのが前述の2品種。
これらの新規投入により、5月初旬の九州の早出しの産地から9月初旬の北海道、東北まで、日本国内のスイートコーン産地の作型の全てをカバーするラインアップが整ったことに大きな意味がある。
(注1)イエロータイプ 稔実粒の全てが黄色のスイートコーンのこと。
(注2)バイカラータイプ 稔実粒が黄色と白色の2色で構成されたスイートコーンのこと。
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