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コラム |
バブルの頃は一時払い養老保険が飛ぶように売れて1日に何十億円も集めた。「100万円が10年で190万円になる。一時所得50万円まで無税」との勧誘だった。集めた金は不動産や株、米国の債権市場に流れた。当時「ザ・セイホ」の融資担当者がアメリカへ行けば、飛行場に赤じゅうたんが敷かれて当局に大歓迎された話も伝えられている。大蔵省にたぶん勧められて大量に買わされた米国債はその後円高でみじめな姿になり、今売れば政治問題を引き起こす。ホテルニュージャパンの跡地だけでなく、バブル崩壊で、不良債権化した土地は多くある。 千代田生命の契約は140万とも云われ、とても破産させられないという。契約者保護機構があるも日産生命、東邦生命、第百生命、日本団体生命、協栄生命と次々に中堅生保が破綻し、まだ続くとの風聞もある、資金には限度がある。いずれ公的資金が投入されないと保険契約者は保護されないような気がする。 もう一つは低金利政策の犠牲、逆ざや問題である。予定利率を大蔵省は変更を認めなかったという。生保が破産するよりは利率を下げても戻してほしい契約者もいる。千代田生命の受け皿はアメリカのAIG保険会社に決まった。契約は継続されるが、個人年金などは破綻した千代田生命に保険料を払い続けないと権利は消滅しそうである。万一の場合の死亡保険は受け取れるようだが、貯蓄型の保険は大幅目減りを覚悟しなければならない。 破綻した千代田生命は来年3月、管財人による債権債務の照合が終わるまで資産凍結、解約などは出来ない。見通しの悪かった経営者の民事、刑事の責任追求は厳しくやってもらいたい。(金右衛門) |