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コラム
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反射鏡
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冷夏の読書から…米国をより冷静に見つめ、
されど学ぶべき点は…。 |
やや残暑は残ったものの今年は冷夏だった。そのせいか、読書のはかどった年でもあった。 その1、米国を冷静に眺めるとき。 テロ対応を新たなる戦争と規定したブッシュ政権ならびに米国そのものの危うさは、イラク統治の躓きで明らかになりつつあるが、問題はより属国の度を強めている日本国の姿である。米国の市場主義の行き着くところは、エンロン社事件に象徴的に示されている。日本の社会主義的保護政策からの脱皮は至上課題であるにしても、米国への政治的服従と市場の優勝劣敗模倣からの脱出は一刻も猶予があってはならない。参考にすることと隷従・物真似とを混同しているような気がしてならない。 その2、やはり優れた米国の集中力。
9.11の同時多発テロ以降のアフガニスタン侵攻・占拠、イラク侵攻に至る間、ホワイトハウスを中心としたブッシュ政権の動きを見る時、日本との差に愕然たる思いである。 その3、危険予知と対応力。
今日にいたるも我が国の金融不安は解決の展望を見出せずに10年来の低迷にあえいでいる。そのなかで前掲著は1992年から1998年に至る動き、なかんずく住専、三洋・山一證券、兵庫銀行の流れを追いながら大蔵・日銀などの金融当局の先送りと組織防衛体質を明らかにしている。同時に政治家の金融知識の欠如と、官僚依存から来る金融危機対応への認識の低さと事務当局からの情報遮断も暴露されている。危機発生の予見可能な情勢下にあって、対応なきままに無為な時間を過ごした政・官の無能ぶりは明々白々である。 |
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