明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします。
昨年は本当に大変な一年だった。相次ぐ台風の上陸や長雨・集中豪雨、そして新潟中越地震の発生、スマトラ島沖大地震等々…自然災害は、あまりにも大きな爪痕を残していった。今年こそ良い年でありますように! と年頭にあたって心から祈るばかりである。
昨年のある晩のこと、友人が養豚を営んでいる農家の方を伴って「相談にのってもらいたい」と突然訪ねて来られた。彼(以下Iさん)は父の代から養豚を営んでこられたが、ここ10年ぐらい周辺の住民から「悪臭」に対する苦情が頻繁になって、毎日作業をしながら、その対応で夜も眠れない程悩んでいる。数年前、周りの方達との話し合いで浄化槽やコンポも完備(行政の指導通りに)してきたが、それでも「刺激臭」が収まらず、周辺の住民は「期限を切って、養豚をやめたらどうか?」とまで言うようになったというのだ。
私は突然の相談なので、相手の意見も聞いてみなければはっきりしたことは言えない、という前提で、「相手側が、一方的にIさんに養豚をやめろ! と言うなら、徹底的に自分の権利を主張すべきだが、元々はみんな村落共同体の一員。これは時間がかかっても行政の手を借りたりしながら、できるだけ経費をかけずに済む方法を見出し、話し合いで円満に解決した方が良いのでは…」と話した。Iさんには昨年から畜産関係の大学に通う長男がおられ、後を継いでくれるのを奥さんと楽しみにしてきた矢先の出来事だという。
同じ農業を営んできた者同士のトラブル。今後もあちこちで起こりうる「他人事」で済まされない話である。その後、行政と周辺住民と話し合い、当面はビニールでふたをして様子を見ることにした、と連絡をいただいた。
◆「農業2年生!」昨年を振り返り、今年にかける抱負(野沢和人 23歳)
「我が家では水稲2.2ヘクタール、野菜3ヘクタール、主になす、ほうれんそう、カリフラワー、インゲン等を栽培しています。昨年は空梅雨で雨がほとんど降らず、なすはぼけなすばかり。そうかと思うと相次ぐ台風で実は擦れてしまって売り物にならない。さらには大雨で蒔いたばかりのほうれんそうの種が…。
父はこう言います。『ここ数年は異常気象だ。でも最近ではそれが異常じゃなくなってきているなぁ…』と。『本当に農業はお天道様次第だね!』と返す私はこの家の跡取り息子。水戸農校を卒業し、北海道酪農学園で農業経済を専攻。しかし教科書とノートの勉強に物足りなさを感じ、4年目に大学を中退。一昨年の7月から正式に我が家の跡取りとしてスタートしました。
私自身、両親の仕事は何となく分かっているつもりでしたが、どの作物がいつできるのか、この土地にはどの作物が合うかなど全く分からず、改めて自分の未熟さを痛感しました。「就農」は畑仕事に行く父と母にぴったりくっつき、土遊びをしていた頃からの夢。そして自分自身が決めたこと。今は技術面、精神面共に未熟ですが、精一杯地面に根を張っていきたいと思います」。
国の農政のあり方や、農村社会で日々起きている様々な現実を報告しながら、今年も皆さんと一緒に考えていきたい。(茨城県大和村在住 農業 野沢 博)
(2005.1.6)