江戸の子守唄
ねんねん ねんねこよ
ねんねのおもりは どこいたあ
山を越えて 里行た
里のおみやに 何もろうた
でんでん太鼓に 笙の笛
起き上がり小法師に 振り鼓
ねんねんねんころり
ころころ山のうさぎは
なぜに お耳が長うござる
親のお腹にゐるときに
枇杷の葉食べて 長うござる
明日は疾うからおひんなれ
赤のまんまに とと添えて
ざんぶざんぶと上げましょよ
ねんねんねんねこよ
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五木の子守唄
おどま盆限り盆限り
盆から先はおらんと
盆が早よ来りゃ 早よ戻る
おどま勧進勧進
あん人たちゃ 良か衆
良か衆 良か帯 良か着物
おどま勧進勧進
がんがら打って歩るこ
土瓶で 飯ァち 堂に泊まる
おどまいやいや 泣く子の守にゃ
泣くと言われて 憎まれる
おどま馬鹿々々
馬鹿んもった子じゃつで
よろしゅ頼んもす 利口かしと
おどんが打死んだちゅうて
誰が泣やァてくりゅうきゃ
裏ん松山 蝉が鳴く
蝉じゃござらぬ 妹でござる
妹泣くなよ 気にかかる
おどんが打死んねば 道端埋けろ
通る人ごち 花あぐる
花は何の花 つんつん椿
水は天から 貰い水
ねんねした子にゃ 米ん飯わしゅ
黄粉あれにして 砂糖つけて
ねんね一ぺん言うて 眠らめ餓鬼は
頭たたいて 尻ねずむ
おどまいやいや 泣く子の守にゃ
泣くと言われて 憎まれる
辛いもんばい 他人の飯は
煮えちゃおれども 喉こさぐ
子どんが可愛がりゃ 守に餅食わしゅ
守がこくれば 子もこくる |