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コラム 今村奈良臣の「地域農業活性化塾」 |
自ら学び自らの力で改革を
−JA−IT研究会の活動 |
JA−IT研究会の紹介を兼ね、この3年半にわたる活動の実績を述べてみたい。JA−IT研究会という名称は一見奇抜に思われるかもしれないが、その中味は、かねてより私が全国各地で進めてきた農民塾、村づくり塾の農協版、すなわち農協改革塾あるいは農協革新塾と考えていただければ判りやすいと思う。
01年9月の研究会の設立趣意書には次のように高らかにその基本路線が述べられている。 「研究会に集う農協が先駆的実践を相互に学び、その先駆的実践をそれぞれの農協が置かれた地域的特殊性のフィルターを通して取り入れ、営農関連事業を主軸に地域づくりを行うことによって、組合員農家の生産や生活が充実し農協経営も安定的に発展する――そのような農協運動の本源を今日的段階でめざす主体的・実践的な研究会」である。 このような基本方針のもとに、設立以来、12回にわたる公開研究会を開催し、二期にわたる専門研究会を実施してきた。研究会の活動の内実を知ってもらうために、どのようなテーマで公開研究会を開催してきたかということをまず紹介しておきたい。 第1回(01年9月)「営農事業」の自立を考える―営農関連事業の創造と「独立採算」への視点― 第2回(01年11月)水田地帯でのJA営農関連事業の創造を考える 第3回(02年2月)パート1/営農関連事業の新展開を支える「ナレッジマネジメント」と「ITの活用法」、パート2/JA間協同を具体化する 第4回(02年6月)JA版・食と農の再生プラン―JA販売戦略の再構築にむけて― 第5回(02年9月)第I 部/販売量を増やさずに収益を増やす「物流コスト」大幅削減の道、第2部/販売戦略に連動した技術指導で「購買事業を考える」 第6回(03年2月)新しい米政策にどう取り組むか―第1部/米政策改革大綱下の新たな米穀事業をどう確立するか―JAの事業改革による自力本願の水田営農の確立、第2部/「いい話は聞いた」「では、どのように事業や組織の改革をできるのか」 第7回(03年7月)第1部/新しい米政策にどう取り組むか、第2部/食品流通業界の再編とJAの対応 第8回(03年11月)フードフロムJA―マーケティングと食の提案型販売の実践―食品流通の激変にJAはどう対応するか 第9回(04年2月)第1部/系統共販の再構築、第2部/JA間連携の優良実践事例に学ぶ 第10回(04年7月)第1部/環境変化に対応した営農事業改革をどう進めるか、第2部/地場企業の技術力を地域農業に生かす 第11回(04年11月)第1部/営農経済事業改革の要=「販売事業」のゆくえを考える、第2部/JAは、なぜ、なかなか変われないのか―JA変革の現場から意識、知識、組織の「三識革命」を考える 第12回(05年2月)第1部/水田農業ビジョン実践強化のための基本課題、第2部/新産地づくりにむけての実需者からの要望 以上、創設以来12回にわたる公開研究会のタイトルのみを示したが、これらから判るように、その中心研究課題をJA活動の核心である営農事業、販売事業の革新に焦点をあて、そのための青果物産地形成のあり方や水田農業ビジョンの策定、実践、さらには広く、流通業界や外食、中食等の実需者のトップ・リーダーの広範な参加も求め、実践研究と合わせて理論的討議も深めてきた。それらの研究成果は事務局である農山漁村文化協会の『農村文化運動』各号に収録されている。特にこの3月末に刊行された『農村文化運動』NO・176号(400円)には第11回と第12回の公開研究会の成果が「激変する青果物流通とマーケティングの実際―JAは市場依存からの脱却を―」として収録されており、JA販売戦略の改革路線の最先端が提示されており、非常に参考になると思う。研究会の組織運営の特徴などについては次回述べよう。 |
(2005.4.14) |
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