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コラム 今村奈良臣の「地域農業活性化塾」 |
全国の導きの星が輝く
ー その1
――第3回地域水田農業ビジョン大賞受賞協議会に学ぶ―― |
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第3回地域水田農業ビジョン大賞が決定した。農林水産大臣賞を受賞した江刺水田農業推進協議会(岩手県)、全国農協中央会会長賞を受賞した二丈町水田農業推進協議会(福岡県)をはじめとして、のちに紹介する各賞を受賞した協議会の優れた構想と計画、それに基づく着実な実践活動は、全国各地の水田農業地帯の導きの星として輝いているだけでなく、多くの英知を与えてくれるものと信じている。前回同様、私が審査委員長をつとめたので、東京での書類審査(一次審査)と現地審査(二次審査)を踏まえて、受賞集団の活動の特徴と軌跡を簡潔に紹介することを通して全国各地の参考になることを念願している。 ◆江刺水田農業推進協議会の活動 江刺地区の活動の特徴を一言で表現するならば、集落での徹底した討議をベースに地域農業の組織化の推進ということである。紙数の制約もあり、読者の皆さんにポイントをつかみやすいように以下箇条書きに実践活動の要点を判りやすく紹介しよう。 ◆水田農業改革と米粉パン工場の活況 農事組合法人原体(はらたい)ファーム(代表理事組合長 及川烈氏)は地区内農家全戸74戸が組合員で、そのうち51戸が40haの利用権を法人に設定しており、残りの農家は大型機械とライスセンターによる作業受託方式で対応している。大豆はブロック・ローテーション方式(15ha)が定着。品種はリューホーに統一して盛岡の大手豆腐店と契約栽培方式を実現している。さらに、こうした地域水田農業の改革にとどまらず、米粉パンの製造、販売を行う「夢の里工房はらたい」を立ち上げ、多彩な米粉パンを製造・販売している。試食してみたがとりわけクロワッサンは絶妙な味で、特に若い女性層を中心に広くファンを集め活況を呈し、業績も順調に伸びていた。また、原体地区は中山間地域に立地しており、水田の畦畔が非常に大きいため、そこに、中山間直接支払交付金を活用しつつ、グランド・カバー・プラントの植栽を行い、景観の美化と合わせて畦畔雑草の抑制、草刈り労力の軽減など、実に多彩な活動を行っていた。この農事組合法人は江刺地区の水田農業組織化のトップランナーとしての先導的役割を担うような位置づけができるように痛感した。
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(2007.7.24) |
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