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コラム |
今、世の中は二つの構図に分かれている。公共事業(税金の使い方)をめぐる地方と都市住民。税金の納め方についてのサラリーマンと自営業者。年金の負担と受給についての若者と高齢者。情報技術(IT)革命で職を失った中高年とネット長者。こうした都市と地方、負担する側と受益する側、それぞれの声が選挙結果に反映しているように思える。 今度の選挙、与党は相変わらず公共投資一本槍、野党にも目新しいものが何もない。とくに、印刷術発明以来の大革命といわれているIT政策については、選挙戦終盤で森首相がそれに少し目覚めた?発言をしただけ。今度の組閣でIT担当相を設けるという。 とは言え、IT革命の後にバラ色の未来が広がっているわけではない。現実にオンライン書店の急成長で、200年以上の歴史を持つブリタニカ百科事典が行き詰まったとか。インターネットでの株取引で伝統的な証券会社の経営基盤も脅かされているとか。IT化が進めば、流通業の一部は壊滅し、中高年のホワイトカラーも失職する事態もでてくるとか。 90年代の日本は「失われた10年」といわれる。農業も然り。でも、これからはITを駆使して「豊かな10年」としよう。 (だだっ児) |