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コラム


NEVER END


 最近いろんなサミットがある。村おこしサミット、棚田サミット、数年前に滋賀県余呉湖に行ったら「羽衣サミット」だという。なるほど、羽衣伝説は三保の松原だけではないんだ‥‥本当のサミット、沖縄サミット(主要国首脳会議)が7月21日〜23日まで、「世界の架け橋」を意味する「万国津梁(しんりょう)館」で開かれた。

 サミットの第1回は1975年、それから4半世紀。EUの拡大、東西ドイツの統一、冷戦終結、ソ連の崩壊、南北朝鮮首脳会談。この25年で世界情勢は劇的に変化した。20世紀最後のサミットは、3つのテーマ、一層の繁栄(経済)、心の安寧(社会)、世界の安定(政治)が議論された。とりわけ、IT憲章の採択にみられるように、21世紀という新しい時代はIT(情報技術)がいちばん重要な鍵という認識で一致。だが、一方で、パソコンどころか1日1ドル以下で生活している人々が12億人もいるという、世界の国々のアンバランスも浮き彫りにされた。

 森首相がサミット終了後の記者会見で「経済がいかに拡大しても、一人一人の心の安寧が保てなければ本当の幸せはない。それが今回のサミットの出発点」と述べたという。どうか、そのことばは今回のサミットだけで終わらせないでほしいものだ。

 今回のサミットの出色は、クリントン米大統領の「平和の礎」でのスピーチ。敵も味方も、勝者も敗者も、島の人も本土の人も、日本人も外国人もない。そこにあるのは、壁に刻銘された23万人の犠牲者の名前。大統領は「命どぅ宝」(命こそ宝)の琉歌で演説を締めくくった。20世紀は戦争と動乱の世紀といわれる。その象徴が沖縄。大統領演説は20世紀への懺悔、21世紀の「平和の誓い」と思いたい。

 安室奈美恵が会議2日目の夕食会で唄った「私たちの未来はNEVER END」。亡くなった小渕前首相が「21世紀の世界の交流がみんなの心に浮かぶような歌を」と、小室哲哉さんに依頼して作られた歌だそうだ。名エンターティナーのご冥福を心からお祈り申し上げます。  (だだっ児)



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