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コラム |
20世紀最後のヒット商品は「ユニクロ」と「iモード」。先ごろ、住友銀行系の経営コンサルティング会社「日本総研ビジコン」が発表。両者は東西の大関。横綱は3年連続で空位。関脇には家庭用ゲーム機「プレイステーション2」と「IT革命」が並ぶ。 ユニクロ、面白い名前だと思って「知恵蔵」を開くと、正式には「ユニーク・クロッシング・ウエアハウス」とある。不況のアパレル業界で「一人勝ち」。つい最近、近所でユニクロの開店に出くわしたが、店に入りきれない客が長蛇の列をつくっている。デニムジャケット=Gジャンとやらが2900円、カラフルなフリースがたったの1900円。しかも、何百万枚という単位で売ったという。ユニクロ商法は「安かろう、良かろう」、値段も安いが質も良いが売り物。「ユニクロ現象」といわれるほどの超人気。 ユニクロのこの価格、他のメーカーは「工賃価格、メーカーの仕事をバカにした値段」と怒り心頭。当のユニクロは週刊誌などに「この価格の実現に新日鐵のシステムインフラとSUNのネットワークテクノロジーのふたつの力がサポート」「日本全国の店舗と海外の生産工場を直結し、店頭の売れ行きやプロモーション戦略、在庫情報を加味しながら、生産を柔軟に変更させるシステムがこの価格を可能にした」と堂々と広告。 ユニクロはITを駆使し、大量生産・販売システムで一大ブームを起こした。だが、ものがそこそことはいえ、500万枚も売った「ニッキュウ」のものを消費者はまた買うのだろうか。マツモトキヨシ、いや、ユニクロで買うこと自体がうれしい、そこで買うことがおしゃれという、日本人の付和同雷的(?)な性格がもたらした一過性の現象では・・・。 先の日本総研は「大量生産・大量消費の20世紀型消費は終わりで、21世紀のヒット商品には『心』や『感性』といった面が見落とせなくなる」と分析している。 |