株価と米価
3月2日の東京株式市場では、平均株価が1万2261円とバブル後最安値を更新した。なんでも、これは15年前、昭和60年当時の水準だそうだ。ちなみに、かつては産業のコメといわれた鉄鋼株をみると、業界1位の新日鉄株はスターバックスのコーヒー一杯よりも安い200円ちょっと。NKKにいたっては、いつのまにか業界3位に転落、一時はマクドナルドの平日半額のハンバーガー並みの株価。
株価が日本経済好・不況バロメーターなら、米価(コメの値段)は日本農業のバロメーター。先日、東北某県の広域JAの専務さんと話す機会があった。このJAはコメの扱い量が200万俵(60`)もあるが、近年の米価の急落で、売り上げが50億円も減ったとぼやく。
たしかに、自主流通米の値段は5、6年前までは、大雑把に1俵2万円で計算していた。それが1万8000円になり、今では1万5000円とだんだん下がる。株価じゃないが、米価の15年前の水準をみると、秋田のキヨニシキで2万676円、ほとんどの銘柄が2万円を超えている。現行水準の価格はもう10年、昭和50年まで遡る。
わが国の財政赤字は6070兆円にのぼり、「日本沈没」「だめ国家」「国家破産」とかの活字が連日マスコミに踊る。森総理にはとうに期待していないが、担当の宮沢大蔵大臣、いや、財務大臣の「株価は下がることも上がることもある」にはあきれる。
サラリーマンは、今や先行き不安で生活防衛に必死。たとえば、昼飯。平日半額のハンバーガー、コンビニの100円おにぎり、290円の牛丼とあいなる。ちなみに、この牛丼、味噌汁がつき、おまけに生姜は食べ放題ときて凄い人気。牛丼は、汁がご飯に浸透するコメがいいとかで、裾ものの需要が伸びているとか(MA米需要?)。これではコメの値段も上がるわけがない。
専門家に言わせると、日本のこの症状は心臓病ではなく、糖尿病とか。手術では治らない。よく言われる構造改革に本気でかからなければ、日本丸は沈没しそうだ。
(だだっ児)