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コラム


球春

 春到来とともに、一斉に野球がはじまった。「21世紀枠」という粋な演出をした選抜高校野球。日本のプロ野球もパ・リーグが3月24日、1週間遅れてセ・リーグも開幕。イチロー、新庄が野球選手としてはじめて挑む大リーグもいよいよ開幕。
 まさに、球春到来。「球春」=野球と固く信じているのだが、手元の国語辞書にはこの語がない。同じ辞書に「球児」がある。「中学・高校などで野球に情熱を燃やす青少年」とあるから、球春は断じて蹴球(サッカー)ではなく、野球のことだ。
 ちなみに野球なる日本語は、かの正岡子規がつけたらしい。かれは打者、走者、直球、死球などの野球述語を翻訳したそうだ(司馬遼太郎の「坂の上の雲」より)。野に球が転々、さすが俳人らしい発想だが、今日のドーム球場を観たら子規はどんな感想をもらしたろう。
 日本野球の頂点に立つ、プロ野球がつまらない。セ・リーグ、1位巨人、2位中日、3位横浜、パ・リーグは去年と同じダイエー対西武の図式。リーグ戦のはじまる前から勝負が見えていて面白いはずがない。とりわけ、巨人の戦力は抜きんでていて、大橋巨泉ではないが、誰が監督をやっても優勝できると思うほど、空虚な世界になった。
 だから、イチローも新庄も大リーグに飛び出す。そのうち、巨人の松井も行くにちがいない。4月2日の大リーグの開幕戦で、早速、イチローが打ち、佐々木が締める。5年、15億を蹴って、年俸2000万円でメッツに行った新庄も大化け?あの朝日の天声人語でも「松井よりイチローである。イチローよりも新庄だ」と持ち上げるほど。
 という訳で、筆者も今年はドームの箱庭野球から、大リーグに方向転換。何しろNHKが衛星放送でマリナーズの本拠地主催81試合を中継するというのだから堪えられない。
 でも、やっぱりテレビの前を陣取り、ビールを片手に、巨人の重量打線がバカスカホームランを打つのを観ているほうがストレス解消になるか・・・。(だだっ児)



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