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コラム


最後の将軍

 自民党も、永田町の論理が民意とかけ離れていることにやっと気がついたようだ。
 自民党総裁選は予備選が土曜日にふたを開けた途端に小泉純一郎氏の圧勝でジ・エンド。
 総裁選前、ある新聞のコラムに、今の自民党を江戸幕府にたとえると「安政の大獄」のころで、今の13代将軍の森総理は「失言将軍」とか「ゴルフOB首相」とかで、とかく批判があったので退陣。そこで、14代将軍を迎えて目先を変えれば、当面は何とかしのげるだろう、というのが江戸城の老中(派閥の長老)たちの思惑と載っていた。
 そこで14代将軍に4氏が立候補。吉田茂の孫・麻生太郎、カムバック・橋本龍太郎、名前と裏腹の亀井静香、変人・小泉純一郎とじつに賑やかな顔ぶれ。おまけに、変人の名付け親である田中真紀子代議士が小渕前首相を「お陀仏さま」とやって物議をかもす一幕もあり、今度の総裁選バラエティショーはなかなか面白かった。
 結果は、選挙前、派閥力学・数の論理で圧倒的優位に立っていた橋本龍太郎が敗れる。
当初、江戸城の老中たちは、都道府県に3票ずつ与えても、あくまで〃参考程度〃であって、本選で十分コントロールできると甘く考えていたようだ。そこは、総裁選3度目の小泉氏、そして、応援に廻った田中氏の方が一枚上手。「脱派閥」、「解党的出直し」を宣言し、予備選で圧倒的な票を集めてしまった。
 倒れかかっている自民党のなかでも、小泉・田中の両氏はまだ世の中がみえているのだろう。が、小泉新総理・総裁は、「安政の大獄」の後の14代将軍だろうか?世の中はもっとすすんでいて、『日本一の借金王』と自称した小渕前首相が13代将軍。森総理は14代将軍。新しい総理・総裁は15代・最後の将軍のような気がする。
 自民党は小泉新総裁の新鮮味で、7月の参院選挙は乗り切れるかもしれない。でも、氏が唱える派閥政治が本当に無くならない限り、自民党幕府の崩壊、大政奉還のシナリオは確実にすすむに違いない。(だだっ児)



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