「100人の村」
今、あるeメールが世界中を駆け巡っているそうだ。日本では「学級通信」のスタイルで、あの「テロ」が起きた9月11日以降、急速な勢いで広がっているという。そのメールは、先日、「世界がもし100人の村だったら」という1冊の本にもなった。
『世界には63億人の人がいますが、もしそれを100人の村に縮めるとどうなるでしょう。100人のうち52人が女性です 48人が男性です 30人が子どもで70人が大人です そのうち7人がお年寄りです 61人がアジア人です……13人が南北アメリカ人……33人がキリスト教 19人がイスラム教……100人のうち20人は栄養が十分ではなく1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎです すべての富のうち6人が59%をもっていて みんなアメリカ合衆国の人です 74人が39%を 20人がたったの2%を分けあっています……』と、つづく。
この「ネットロア」といわれる現代の民話はオリジナルが1990年、日本にたどりついたのが今年の春というから、テロの起きるずいぶん前からこのメールは世界中を「転送に転送を重ね」られていたことになる。この本の解説に、世界の、少なくともeメールを使える「恵まれた」側の人でさえ、「もはや天文学的なまでに開いてしまった貧富の差」に危機感を覚え、このネットロアのなかにその目を静かに、しっかりと見開いていたのではないだろうか。「このままではこの世界はたちゆかない」そんなまなざしの先にあった不吉な予感がまるで的中したかのように、テロが起こった。そして、9月11日は「世界が変わった日」ではなく、「世界が変わり始めた日」になることが、このネットロアの予言であり、希望なのだ。と結んでいる。
ときに、この国、「日本が変わり始めた日」はいつ…「聖域なき構造改革」を唱える小泉首相が登場した平成13年4月26日?「この村100人のうち60人が女性で、40人が男性です。10人が子どもで90人が大人です。そのうち70人がお年寄りです。田んぼの半分は耕作されていません。牛もいましたがBSE騒動でやめてしまいました…」こんな村が変わらなければ、いつまでも日本は変わらない。 (だだっ児)