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コラム


「スローフード」

 ファーストフードの代名詞・マクドナルドのハンバーガーは、滅多に口にしないが、和食のその代表・牛丼の吉野家は昼食に時々利用する。椅子に腰かけて注文するや否や、並盛り280円也の牛丼が目の前に運ばれてくる。その間、たったの数秒の早業。牛肉はアメリカ産で気にくわないが味もいい。看板の「うまい、安い、早い」に偽りなし?
 吉野家はファーストフードの本家アメリカ・ニューヨークで1000店目を達成したとつい先日、報じられていた。今や、マクドナルドと吉野家、洋・和のファーストフードで世界を席巻しそうな勢いである。それに、日本発のインスタントラーメンは、日本で53億食、世界全体で436億食、世界ラーメンサミットまでやる始末。
 朝、インスタントコーヒーで、食パンをかじり、満員電車に駆け込む。昼は、そば・ラーメン・カレーライス・牛丼のファーストフード(?)を数分で掻き込む。夜は夜でノミニケーションで職場の憂さ晴らし。家で食卓を囲むのは、精々、土・日曜だけ。
 これでは家庭もうまくいく筈がない。主婦業も廃業、子どももおかしくなる筈だ。その元凶がファーストフードにあるとは、島村菜津さんの「スローフードな人生!」に出会うまで、知らなかった。まさに「目から鱗が落ちる」の思い。
 スローフード。詳しくは、島村菜津さんの著書で味わってもらうとして、簡単な説明を「現代用語の基礎知識」から引用すると、「『食事くらいゆっくりとろう』という、多忙な現代人の食生活を見直す動き。イタリア・トリノに住む男性が、アメリカ系ファーストフードのローマ出店に怒り、ファースト(速い)の反対語スロー(ゆっくり)をテーマに協会をつくったのが発祥で、シンボルマークは『かたつむり』」と出ている。今、JAグループが取り組んでいる「地産地消」のヨーロッパ版と考えていいのかも知れない。
 今年度第47回目の大会を迎えるJA全国女性協は、農産物直売所や学童農園の展開、学校給食への食材提供など、いわゆる「地産地消運動」をてこ入れするそうだ。日本の農村はスローフードの宝庫。
 スローフードが、日本を、そして農業を救う唯一の道。その主役・スローフーダーはJAフレッシュミズの皆さん。期待したい。
(だだっ児)


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