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コラム


「コンプライアンス」

 ▽『あんたがたどこさ』/肥後さ、肥後どこさ、どさん子さ―雪印食品。▽『ごたごた外務省』/非政府組織にしてしまっては―NGO(朝日新聞「かたえくぼ」)。雪印食品の輸入牛肉偽装・ラベルの張り替え事件や、田中外相更迭劇の裏に鈴木宗男議員(比例区北海道)ありで、このところ道産子は肩身がせまい。
 雪印食品の不祥事は、1昨年、親会社・雪印乳業が起こした食中毒事件が未だ脳裏から消え去らないときに、また、BSE騒動で消費者に「食」にまつわる不信が募り、畜産農家が大打撃を受けているときだけに、ショックの度合いは大きい。
 この不祥事の根っこは、「利益優先の企業体質」とか、「企業倫理の喪失」とか言われている。利益優先主義は株式会社であれば当然のこと。ただ、それが企業としての社会的責任・倫理を踏み越えたところに問題があるやに思う。
 企業の社会的責任を全うする、とりわけ、企業倫理の確立は、すべてそこに働く一人、ひとりの意識にかかるだけにやっかいな問題だ。まして、今、日本は「倫理=モラル」喪失社会。企業も、行政も、政治も、学校も、家庭もモラル喪失病が蔓延。信じられない事件、不祥事が相次ぐ。しかし、この乱れた世の中でも、倫理を喪失するとドロップアウトされることを雪印が教えてくれた。
 最近、「コンプライアンス」という言葉をよく耳にする。一般には、「法令遵守」とか、「行動規範」の意味に使われている。全農でも、昨年来、この取り組みが行なわれ、14年度の事業計画で、「全農グループ役職員行動規範」として打ち出される。「自己責任のもと、誠実かつ公正な事業姿勢、職場風土を醸成」と、すこぶる拡張が高い。あわせて、ISO14001の取得もめざすという。
 全農は、今春に33県本部、200社を超える協同会社、職員数1万3千人をかかえる。それだけに社会的責任は極めて大きく、全農マン一人ひとりのモラルの向上が求められる。
ただ、この「行動規範」、そして、「もっと近くに。」、「新鮮、美味、安心」のキャッチフレーズがくれぐれも絵に描いた餅にならないように。  (だだっ児)


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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