401K年金
専業主婦が肩身の狭い時代といわれている。今ではサラリーマンにとって、専業主婦は住宅ローン、子どもの教育費と並ぶ「三大不良債権」と呼ぶ声すらあるとか。これを我が家に置き換えてみると、子どもの教育費はかからなくなったが、住宅ローンはたっぷり残っており、専業主婦は「亭主元気で留守がいい」で元気ハツラツ。
満期除隊(定年退職)を目前にして、我が家の不良債権をどう処理するか頭が痛い。そこで頼りは年金。その頼みの農林年金がこの4月1日から厚生年金と統合。おまけに、受給開始年齢がどんどん引き上げられ、この先ほんとうに大丈夫だろうかと不安になる。
アメリカのエネルギー販売大手のエンロン社が昨年12月に破綻し、約5000人が解雇された。悲劇は、確定拠出型年金(401K)を自社株・エンロン株で運用してきた人たち。エンロン株は紙くずになり、貰えるはずの年金も失う羽目に。
日本でも、この確定拠出年金「日本版401K」が昨年10月からスタートした。この年金は簡単にいうと、企業が退職金の一部を前倒しして積み立て、それを自分が株か投資信託で運用し、60歳になったら積立金とたまった利子を、年金のように貰う新型の企業年金。そのうえ、転職時には「持ち運び」ができるというメリットもある。
たしかに、今の企業年金は賃金の超後払いであり、終身雇用を前提としている。しかも、「世代間の助け合い」(賦課方式)は、高齢者は現役に、現役は子どもに負担を先送りする仕組みなだけに、少子・高齢化がすすむなかでは、若年層が「割り」を食うのはたしか。ドイツでは、こうした年金の賦課方式をめぐって、世代間の深刻な「骨肉の争い」が始まっているという。
というわけで、これからの日本の年金スタイルは401Kが主流になりそうだが、自社株に運用して、エンロンの二の舞になってはかなわない。専業主婦も04年の年金改正では、保険料を払わなくてもいいという優遇制度が見直されるらしい。
豊かな年金生活を享受する「トシだけとったワカモノ」たちへの仲間入りは、どうやら夢のようだ。(だだっ児)