ノーベル賞
10月はビッグニュースがつづいた。まずは、ノーベル賞の日本人ダブル受賞。小柴東大名誉教授のノーベル物理学賞はともかく、一介のサラリーマンである田中耕一さんのノーベル化学賞受賞はお見事。
次は、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者5人が一時帰国。四半世紀に及ぶ長い空白。彼らは片時も故郷を忘れていなかったのだろう。佐渡に帰った曽我ひとみさんが、新幹線の車中で書いたメモに彼女の気持ちが切々と伝わってくる。「夢を見ているようです。人々の心、山、川、谷、みんな温かく美しく見えます。空も土地も木も私にささやく、お帰りなさい。頑張ってきたね・・・」、心が和む、素晴らしい詩だ。
被害者を迎える家族のことばも実に日本的でいい。曽我ひとみさんの姉「卵焼き、漬物、みそ汁を食べさせたい」。新潟県JA柏崎の組合員という奥土祐木子さんの父「コシヒカリを腹いっぱい食べさせる」。福井県の浜本富貴恵さんの兄「私が作った米を食べさせたい」。やっぱり、日本の味の原点は“米”。
米といえば、10月11日、ラオスで開かれた日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の農相会議で「アジア米備蓄構想」を推進していくことが合意された。日本、中国、韓国3カ国で約15億人、ASEAN10カ国で5億人の20億の人が住むという。その世界人口の三分の一にあたる人々が米を「主食」とするだけに、構想が実行性のあるものになれば、その意義は大きい。
今回の米備蓄構想は、日本が中心となって提唱してきたそうだが、現物の米があまりないとも聞く。一方、その日本は米改革で議論が沸騰。焦点は、相も変わらず、生産調整をどうするか。が、この米備蓄構想を視野に入れれば、話は豆粒ほど小さい。
どんどん米を作って、この米備蓄システムにあてる。備蓄も全国に1万棟もある倉庫や、カントリーエレベーターできちんとする。品質もトレーサビリティシステムの確立で万全の保証。と、いきたいものだ・・・。
真面目な話、この米備蓄構想が上手く機能すると、ノーベル平和賞もの。小泉首相、ぜひ、世界の食料安保のために、米備蓄構想を実現し、ノーベル平和賞を貰って下さい。(だだっ児)