「オールド・ルーキー」
第68代横綱・朝青龍が誕生した。今年の大相撲・初場所は、一世を風靡した横綱・貴乃花が引退し、序二段を除いて、各段全ての優勝者が外国人力士が独占。どうやら日本の「国技」大相撲もエポック・ターニングを迎えたようだ。
大相撲は、90年代のハワイ勢の「黒船来襲」、昨今はモンゴル出身力士が31人もいて、「元寇の役」といわれるように、すっかり国際色豊か。ハワイ勢はともかく、モンゴル出身力士は、同じ蒙古斑点の持ち主のせいか、あまり違和感がない。なかでも、横綱・朝青龍は、闘志満々の身振り、スピードあふれる取り口、多彩な技といい、文句のつけようがない。
横綱審議会の委員長が、朝青龍の品位品格に注文をつけたそうだが、注文をつけた本人自身の品位品格が問題であることは、衆目の一致するところ。少しも気にすることはない。それにしても、東西横綱が外国人力士では、今一つ面白くない。千代の富士や貴乃花のような華のある日本人の横綱をみたいものだ。
さて、次はアメリカの国技・野球の話。先日、映画「オールド・ルーキー」を見に劇場に足を運んだ。テキサスの片田舎の高校教師が、35歳になってメジャーに再挑戦し、夢をつかんだジム・モリス元投手の実話をもとにした映画。
メジャー再挑戦は、無謀な賭けだとたしなめる老親。悩む彼は、妻の「子供たちがパパが奇跡を起こすのを、待ち望んでいるわよ」の一言で、メジャー挑戦を決断し、ついには、大リーグのマウンドを踏む。アメリカでも100億円の興行収入をあげ、日本でも中高年サラリーマンの間で、なかなかの評判とか。なぜだろう。
それは、メジャーといわれるように野球はアメリカの国技。その野球の頂点に最年長ルーキーが勇敢に挑戦し、アメリカン・ドリームをつかんだ実話であること。もう1つは、『夢を信じること、そして追い続けることが尊い』という、彼のメッセージに不況に疲れた中高年サラリーマンの心が癒され、励まされるからだろう。
日本のプロ野球は2月1日、キャンプイン。もう、巨人には松井選手はいない。日本の国技・大相撲には、外国人力士が押し寄せ、アメリカの国技・野球には、野茂、イチローなどの日本人をはじめ、大勢の外国人選手が活躍する。いよいよ「スポーツに国境がない」時代がきたようだ。松井よ、夢を信じて頑張れ! (だだっ児) (2003.2.13)