商売柄(?)、週に一度は、スーパーに食料品の買出し(?)に行く。大抵は、近所のスーパーで済ますが、月に一度は店を変える。一番気になるのは、米の値段。たしか、2月、近所の店では、地元産コシヒカリが5キロ2980円。先だって行った店では、同じ15年産隣県のコシヒカリが5キロ2380円と600円も安くなっている。
昨年の米の不作で、米卸は玉確保に大慌て。スーパーなど小売りに米を供給できなければ卸業はなりたたないから無理もない。何年か振りに、米1俵(60キロ)2万円台の値段を聞いた。でも消費者は動かず、慌てない。食品は有り溢れ、デフレ下で昨年より5割も高い米を誰が買うものかということだろう。結局、今回、得をしたのは備蓄米を在庫一掃セールした国、損をしたのは消費者の米離れを招いた農家だ。
そんな中、この4月から改正食糧法が施行される。不測の事態、即ち、米不足のときには、「オイコラ警察を復活させる」以外は、米流通は完全に自由とする法律。半世紀つづいた食糧管理法を経て、食糧法、そして今度の改正食糧法で、完全に国は需給責任を放棄。“春闘”は終焉したといわれるが、この法律で、いわゆる“食管”は終焉。
しかし、国はしたたか。米の価格形成権は自主流通米価格形成センターから「米穀価格形成センター」に衣替えし、しっかり握る。また、改正食糧法で、過剰米の隔離や卸の債務保証を行う「米穀安定供給確保支援機構」なるものを創設。そして、全農がもつ自主流通法人の看板をはずす。国は米の需給責任をを放棄した。ならば、30数年、国内米流通の太宗を担ってきた全農にこそ、国内米流通の舵取り役を託すべきだろう。
だが、国のやっていることは逆。先に全農から価格交渉権をもぎとり、今度は、自主流通法人の看板をはずし、全農の大卸機能まで奪う。改正食糧法、いや官僚の巧妙な罠にはまり、すっかり全国連の機能は削がれてしまった。
全農はこれからどうするのだろう。もう農水省の傘の下はいい。価格形成も流通も在庫操作も全部全農がやろう。そう、昔、偉大なる系統人、宮脇朝男氏が唱えた「農協食管」を旗印に、JAグループは再結集しよう。新たな「農協食管」の確立!全農が提唱している「JA米」の確立こそ、その道と信じたい。(だだっ児) (2004.3.29)