農業協同組合新聞 JACOM
   

コラム
 

禁煙宣言

 通勤先の最寄駅がJR神田駅である。職場まで西口から出て、距離にして5、600メートルの西口商店街を通る。寿司屋、蕎麦屋、鰻屋、JA(山形)のおにぎり屋、飲み屋、喫茶のルノアールなど、飲食店がずらっと並んでいる。朝、通勤途中のサラリーマンは、駅を出ると直ぐタバコに火をつけ、人込みの中を歩きながら喫煙。路上の灰皿ボックスは、タバコの吸殻で山となり、煙がもうもうと燻っていたのが、かつての日常光景。
 ところが、昨年、10月に路上喫煙などを禁止する「生活環境条例」が施行され、喫煙者は罰金を課されることもあってか、街は様相が一変。今では、灰皿ボックスも撤去され、路上には吸殻一本落ちていないきれいな街に変身。街の空気も、新幹線の喫煙車輌から禁煙車輌に変わったくらいきれいになった。
 さて、5月には健康増進法が施行され、受動喫煙の防止が法的に義務づけられ、公共施設や駅などで全面禁煙になる動きがすすんでいる。タバコ飲みには、いよいよ肩身の狭い世の中になる。おまけに、この7月1日からは、タバコ代が20円上がった。それじゃ、この際止めてもよさそうなものだが、筆者のように40年も吸っていると、完全にニコチン中毒。おまけに、アルコール、カフェイン中毒が加わって、余計にタバコがすすむ悪循環。
 「一日に吸う本数×喫煙年数」が400を超えると、肺がんになるリスクが高いと言われる。計算すると、この数字は軽く倍になる。そんなところに、先日、「週刊朝日」で、かの吉田拓郎や西城秀樹が肺がんや脳梗塞で倒れたのはヘビースモーカーが共通項とか。禁煙しようと思っている人にとっては、いいニュースだ。
 また、禁煙効果を上げる一番費用対効果が大きいのは、タバコの値上げといわれる。マールボロはアメリカのニューヨークでは、1000円もするそうだ。そのため、ニューヨークの愛煙家は、タバコの安い州からインターネットで買う人が続出とか。日本では、それが300円で買える。日本も、タバコが一箱1000円もすれば、自分も含め、禁煙家は随分増えるだろうになんて、禁煙の動機を他力にすがる体たらく。
 健康に悪い、受動喫煙で他人に迷惑をかける、タバコ代も馬鹿にならないは、百も承知。一番の問題は、生来の意思薄弱というか依存症体質。でも、残り少ない命をさらに、縮めることもない。そこで断固禁煙! と言いたいのですが…。 (だだっ児) (2003.7.11)

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