「ナンクルナイサ」
「春耕」の季節がやってきた。近所の田んぼにもトラクターが入り、農家のオジさんは田起こしに余念がない。冬の間、放ったらかしにしていた我が家の家庭菜園を覗くと、グリーンピースは枯れて全滅、そら豆も半分は虫にやられている。そう言えば、グリーンピースは冬に花が咲いていた。露地植え作物は、季節を間違えたようだ。いや、季節がおかしくなっているというのが正解か。
「球春」。勿論、野球、それもプロ野球だ。今年は、日本のプロ野球の開幕の前に、大リーグ・ヤンキースがやってくる。チケット屋を覗くと、内野席ペアで6万円。とても薄給の身には手が出せないが、デレク・ジーターと、新加入アレックス・ロドリゲスの3遊間をぜひ見たいものだ。そして、松井選手は古巣ドームで、何番を打ち、ホームランは何本打つだろうか。興味津々。
それに引き替え、日本のプロ野球。スター選手は大リーグに逃げられ、巨人は相も変わらず、他チームの4番バッターを引き抜き、大物選手がポジションをはみ出す始末。選手が余っているなら、Jリーグじゃないが、他チームにレンタルでもしたらと言いたくなる。複数の球団は身売り騒ぎ、セパの交流試合もできないようでは、遠からず、大リーグの二軍。何しろ、あの敬愛する長嶋茂雄さんが、脳梗塞で倒れただけで、スポーツ紙が連日一面トップというから、どうかしている。
そんなスポーツ界で唯一の救いは、女子ゴルフ界のニュースター宮里藍。昨年、アマチュアで30年ぶりにプロゴルフツアーで優勝したと思ったら、今年の地元・沖縄での開幕戦でプロ初勝利。インタビューではきはきと答える彼女に、今どきの若い娘にはない、さわやかさと芯の強さを感じる。過日、毎日新聞の運動記者が彼女の「強さの秘密」は「ナンクルナイサ」だと書いていたのを思い出す。
「ナンクルナイサ」、沖縄の言葉で「何とかなるさ」の意味とか。「くよくよしなければ、おのずと何とかなってしまうものだよ」というナンクル精神が藍ちゃんの魅力であり、強さの秘密だという。
よし、これからの人生、遅れ馳せながら、ナンクル精神でいこう。そうすれば、沖縄の人のように元気で長生きできるかも。でも、藍ちゃん、154cmの身長でどうして、270ヤードも飛ぶの? (だだっ児) (2004.3.17)