球音が消えた日
遂に、プロ野球のストライキが決行された。日曜日、近くのコンビニにスポーツ新聞を買いに行くと、少し遅かったせいもあるが、スポーツ紙は1紙も残っていない。それだけ、プロ野球の将来が国民的関心事になった現われでもあろうが、国民は単にプロ野球云々ではなく、選手会が「旧弊」を打破ができるか、どうかを注視しているのかもしれない。
これより先、ヤマト運輸が「クロネコヤマトは変えません。」というキャッチワードを新聞の全面広告を使って載せた。コンビニ業界2位のローソンがクロネコヤマトの宅急便の取扱店契約を切って、郵政公社の「ゆうパック」に乗り換える。いや、ローソンがヤマトの「宅急便」と郵政公社の「ゆうパック」の両方を扱いたいとする提案をヤマトが拒絶したというのが真相。
ヤマトは、ローソンの販路がなくなることによって、年間800万個、70億円の取り扱いを失う。それでも、あえて提携解消に踏み切ったのは「税制面などの優遇措置を受けて価格競争力のある郵政公社と同じ土俵では公平に戦えない」との理由。早速、郵政公社は10月1日から、持ち込み100円引き、ゴルフ・スキーの格安など、「ゆうパック」の料金を全面改訂すると発表。
ヤマトにすれば、民間が血のにじむ努力で作り上げた商品を『官業の恩典』で攻め込まれればひとたまりもない、「民業圧迫」だという主張。競争は歓迎するが、「公正な競争」が前提と訴える。国と闘い“宅急便”市場を創った男、ヤマト運輸元社長、小倉昌男が唱えた「サービスが先、利益は後」の企業姿勢は変えない、「クロネコヤマトは変えません」という訳である。
どこのテレビ局だったか忘れたが、プロ野球衰退の原因に「公正な競争」の実現と「愛情あるプロの経営者」がいなかったことを上げていた。その張本人は巨人。「公正な競争」を歪め、「たかが選手」(たかが民間)の企業姿勢は郵政公社とそっくり。この旧弊を改めない限り、球音は永久に戻らない。そして、ヤマトじゃないが「ファンサービス第一」の企業姿勢にたたないとファンは球場に足を運ばない。
この点でいえば、JAグループも、ヤマトにならい「消費者サービスが先、利益は後」の姿勢に徹しなければ、消費者は価格だけでものを選び、JAファンは増えず、国産の消費は永久に戻らないという図式になろう。
(だだっ児)
(2004.9.29)