JA全農WCBF少年野球教室
やっぱり野球はいい。先日、朝日新聞でこんな記事を眼にした。夏の高校野球、秋田大会の決勝で金足農が秋田商に9回逆転サヨナラ負け。試合後、負けた金足農の選手たちがねぎらいの言葉をかけた秋田商の監督を胴上げしたという。負けた選手たちの健闘をねぎらう監督も立派なら、胴上げした金足農の選手たちも野球で培った成果の表れ。おまけに、数少ない農業高校の選手たちの振る舞いだけに実にいいシーン。
先日、JA全農ウィークリーのコラム「春夏秋冬」で「JA全農WCBF(世界少年野球推進財団)少年野球教室」の紹介があった。教室ではマサカリ投法の村田兆冶校長らコーチたちから、子どもたちは野球の基本技術と挨拶を学べるというから幸せ。加えて今回、全農は「少年野球教室ハンドブック」を発行し、野球の基本技術の解説と「野球少年のための朝ごはん」と題したごはん食レシピを紹介しているという。
全農のこの少年野球に対するコンセプトは実にいい。単に少年野球を通じて、全農をPRするだけでなく、ごはん食の普及、「食べない子は強くならない」は、食農教育の実践。それにしても、過日、東北大学の川島教授が日本農業新聞の「わたしと食」欄で、宮城県内のある保育園で、朝ごはんを食べない園児が3割。その理由は、親が朝食べないから作ってもらえないのだ、と保育士から聞いたと述べられていたが、実に嘆かわしい現実。どうやら食農教育は親から始めなければならないようだ。
そこで、このハンドブックがベストセラーになれば、米の消費拡大、いや、日本農業の再生請け合い。と思い、全農の広報室にでかけ手に入れたが、少々ガッカリ。薄ぺらな小さな冊子、しかも非売品。しかし、この冊子はWCBF理事長の王貞治さんの監修、野球の基本技術、食レシピは「タコライス」「バーク風ビビンバ」「ミルクライス」など、多彩。野球少年の親のみならず、朝ごはんを食べない親、いや、全家庭の朝食のバイブルにしてもらいたいものだ。
「春夏秋冬」で、健全な身体はバランスの取れた食事と運動で培われる。次代を担う子どもたちには栄養バランスの優れたごはん食で、丈夫な身体をつくって欲しい。そのことが日本農業を盛り上げ、ファンを増やすことにつながる、とある。この少年野球教室の発展が日本農業再生のキーになるやも知れない。
(だだっ児)
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