二つの同期会
「子が子なら親も親」。このフレーズ、昔は「親が親なら子も子」だったような気がするが…これはあるコラムニストが夏の甲子園大会で57年ぶりに2連覇を遂げた駒大苫小牧高校の暴力事件を指して表現した言葉。親に訴えた子も子なら、それをいちいち学校に抗議する親も親という訳だ。
この不祥事で折角の偉業にケチがついたが、ともあれ見事な快挙。丁度、駒大苫小牧高校が優勝を決めた日、北海道の郷里で中学校の同期会があった。同期は4クラス200名はいたと思うが、出席者は30人ほど。なかには、中学校卒業以来45年ぶりという仲間もいる。農業を継ぎ村に残った者もいるが「いや、もう百姓はやってられないよ。なんぼ田んぼをもっていても、1俵1万円ではとてもやっていけない」と皴深い顔を曇らせる。
郷里は北海道のどこもそうだが屯田兵とその家族の入植によって切り開いたまち。まちには、開拓当時、屯田兵に時を知らせた「屯田の鐘」が開基百年記念塔に設置され「鐘のなるまち」として目下売り出し中。ただ、かっては7千人いた人口は、今はたったの3千人余り。小学校1学年1クラス30人とご他聞にもれず、ここも少子化・過疎化が進んでいる。折から衆議院選挙。ここから高校の後輩がでているが、郵政民営化に反対したため自民党公認をはずれ無所属の憂き目。村は郵政民営化どころでなく、農家がつぶれるかどうかの瀬戸際に立たされている。
この8月、もう一つ職場の同期会があった。職場といっても入会時の話で今は第一線を引き、ボツボツ完全リタイアする仲間の送別を兼ねた同期会。入会してから40年余り。よくもまあ、同じ職場で頑張ってきたものだと、集まった仲間は一様に安堵の態。団塊の世代の少し前の組、後輩に「いいところ取り」とよく言われるように、仲間の挨拶は「俺たちはいいときに卒業できた」といい、一同一様にうなずく。自分を振り返ると、村を捨てた罪滅ぼしの気持ちもあって、この職場で頑張ってきたが、組織の基盤である村が衰退し、組織のエネルギーが段々消耗しつつある現状に忸怩たる思いが消えない。
「郵政民営化」の次は「JA改革」と囁かれる昨今。選挙戦の最中、自民党は打ち消しに必死だが、小泉首相が続投ならば、次は「JA事業分割」に動くのか? 選挙結果はいかに…。(だだっ児)
(2005.9.8)