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コラム |
弱者切り捨て思想 でも敵(?)も然る者。藤井氏は「人事権の乱用だ」として処分無効や取り消しを求める行政訴訟を起こす予定とか。一方、両元首相のうち、宮沢氏は了承したものの、中曽根氏は、「非礼だ。政治的なテロだ」と猛反発。確かに、阪神タイガースの星野監督の見事な引き際に比べると、藤井・中曽根の両氏は見苦しく感じる。 しかし、問題は小泉流のやり方だろう。「総裁としての適格性に欠く」という曖昧な理由や、「引退は本人の判断に従う」と言っておきながら、バッサリでは人間としての誇りをズタズタにされたというのが、彼らの反発の本音だろう。 今回の両元首相の引退騒動について、ジャーナリストの魚住昭さんが、朝日新聞(10/25付け)に、『「戦後は一掃」でいいのか』を寄稿していた。氏は両老政治家が去ることにより、「戦争の重み」をじかに知る世代がいなくなる。彼らのあとに残されるのは、ゲームやプラモデルでしか戦争を知らない政治家たちだと愁えていたが、同感。 そんな中、今度は、首相のタイ・バンコクでの「農業鎖国」発言が飛び出す。「農業鎖国はできない。競争に耐えていかなければ。」首相としては、メキシコとの自由貿易協定交渉が決裂したことで、今後、自由化に耐えられる国内農業を作ることの必要性を強調したと説明しているが、自給率40%、世界一の農産物輸入国の日本代表者が言う言葉にしては極めてお粗末。 そして、農水省の官僚は、早速、首相の意を受けて、食料自給率45%を目標に掲げた「食糧・農業・農村基本計画」の見直しや、規模拡大に取組む農家に補助金を直接支払う方式を早急に検討するという。とくに、後者は耕作規模などで一定の条件を満たす営農者が対象というから、首相お得意の弱者切り捨ての思想がみえみえ。 首相の「農業鎖国」発言も、先の魚住さんの言を借りれば、「戦争の重み」、いや「国内農業の重み」をじかにに知らない政治家たちしか残っていない証だろう。土台、政治家3世に農業のことを分かれというのが無理な話か。 (だだっ児) (2003.11.4) |
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