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コラム |
サユリスト 「ハラスのいた日々」、「犬のいる暮らし」。これは作家・中野孝次さんが愛犬との暮らしの日々を綴った本である。子供のいない中野さん夫婦にとって、犬は単なるペットではなく、愛してやまない“もうひとりの家族”。我が家にも、中野さんと同じ柴犬がいる。その前にも、あるレコード会社の商標(?)とそっくりで、名前をビクターとつけた雑種犬がいたが、一昨年18歳で亡くなった。したがって、今度の犬は我が家の2代目になるが、雑種ではなくれっきとした血統書付き。登録名はサユリ(愛称は、家族の反対にあってアグリと呼ぶ)。そう、恐れ多くも女優・吉永小百合のサユリである。 その吉永小百合は、テレビ放映開始50年で、代表作「夢千代日記」がNHKで再放送され、今、3度目のブームを呼んでいるそうだ。「夢千代日記」の原作者で脚本家の早坂暁は、「控え目で、凛として、賢明で美しさがある。声がよく、立ち居振る舞いがいい。日本女性の美徳が集約されている」と彼女に最大級の賛辞を贈るが異論なし。 この「夢千代日記」、被爆2世として、白血病で後3年の命と宣告された芸者、夢千代の物語。このテレビドラマが縁で、吉永小百合は次世代に向けて、原爆の悲惨さを伝える詩の朗読をライフワークにしているという。憂いを帯びた、祈るような語り口は、聞く者に戦争の悲惨さがひしひしと伝わる。「正義とは つるぎをぬくことでないことを 正義とは “あい”だということを 正義とは 母さんをかなしまさないことだということを・・・」。原爆詩「慟哭」・大平数子さんの一節。65年の作品ということだが、まるで、今、ブッシュ大統領を説教しているように聞こえる。 アメリカのイラク攻撃は、ついに首都バグダッド攻略がはじまった。この馬鹿げた戦争をとめられるのは、第二次世界大戦で東京大空襲や原爆の投下で、何十万人という一般人が死んだ経験をもつ日本だけ。なのに、イの一番にアメリカを支持するとは、なんの良心も、学習能力(?)も、持たない国ととられよう。 今年の米映画界の祭典・アカデミー賞授賞式で、日本のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が、長編アニメ部門のアカデミー賞を受賞したが、テレビ部門は、なぜ、ないのだろう。「夢千代日記」がアカデミー賞を受賞し、吉永小百合が原爆詩を朗読したら、アカデミー賞はもちろん、日本の株もあがるのに・・・、サユリストの独り言。 (だだっ児) (2003.4.8) |
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