アケビよりはソーセージに似ている。葉緑体をもたない多年生のラン科植物で、赤い果実の中に微塵の種子をおさめる。腐生蘭の実と知った上でも、その姿の奇抜さに、何べん出会っても新鮮な感動を味わえる。落ち葉が積もってよく肥えた林床に生え、菌類によって養われる。花は梅雨時に穂をなして咲き、地味だがお洒落な黄色系。古くから知られる呼び名「山の神の錫杖」は、実をぶらさげて立つ棒状の茎をユーモラスに表現したもの。

（２００７．１２．３）