|
||||
検証・時の話題
|
|
「集落営農」は日本型農業 構造改革のキーワード 新たな基本計画とJAグループの課題 冨士重夫 JA全中 農政部長 |
平成27年度に食料自給率を45%に引き上げることやそのために担い手への品目横断的な直接支払い政策への導入などを決めた新たな基本計画が3月25日、閣議決定された。ただし、品目政策の具体的な制度や、対象についての検討はこれからが本番で焦点の農政転換への議論はスタート地点に立ったところといえる。今回は今後の課題とJAグループの取り組みについてJA全中の冨士重夫農政部長に解説してもらった。 |
1. 自給率向上推進を協議会で工程管理 3月9日、食料・農業・農村政策審議会は今後の農政の基本方針となる新たな基本計画の答申を島村農水大臣に行い、これを踏まえて3月25日に新たな基本計画は閣議決定された。 2. 今秋に向けた所得対策等の政策課題 品目横断の経営所得安定対策への政策転換は、19年産から導入とされた。このためには、平成18年の通常国会に関係法案を提出する必要があり、そうなると平成17年の今年の秋か年末ぐらいまでには、その政策の具体的仕組みや内容、対象となる経営の具体的な要件や基準を整備しておかなければならないということになる。そこで今秋以降が正念場になると想定される。 ◆「仕組み」の具体化と「財源確保」 この品目横断の経営所得安定対策の課題となる第一は、その具体的仕組みである。 ◆「米」改革の検証と経営安定対策への位置づけ 第三の課題は「米」をどう位置づけるかという問題である。米は高関税・国貿により今は守られており、いわゆる「ゲタ」はない。また、新たな米政策改革を平成16年度からスタートさせ、18年に検証し、それ以降の政策をどうするか検討することになっており、土地利用型作目として我が国の太宗を占め主食である米は、この品目横断の経営所得安定対策から棚上げ状態となっている。 ◆「担い手要件」と「集落営農」 第四の課題は、対象経営体としての「担い手」の具体的な要件や、基準の考え方である。 3. JAグループ自らの取り組み課題 新たな基本計画の達成、自給率目標、生産努力目標等の実現に向け、新たな政府・関係者間で設立する「協議会」の動きにも連動し、JAグループ自らの方針を策定し、「JAグループの行動計画」として目標を設定して取り組む決意である。◆「担い手づくり」の徹底化 ―JAグループの課題 その柱の第一は、地域実態に即した徹底した担い手づくり対策である。各段階における体制づくりにおいては、JA担い手づくり戦略の策定や担い手担当部署の設置、事業支援体制の確立に取り組むことである。地域の担い手づくりとJA事業支援対策においては、担い手の明確化、集落営農の組織化・法人化、JAの事業毎の具体的な担い手支援対策の展開である。 第二の柱は自らの生産・消費両面における自給率向上へ向けた戦略的な対策である。作目別対策としては、粗飼料自給率100%へ向けた稲わら、WCS、水田等への大家畜導入などの耕畜連携対策。米、麦、大豆の用途拡大対策などの取り組みである。 安全・安心な国産農産物の安定供給においては、トレーサビリティや表示対策、外食・加工業者等に対する契約取引の拡大や流通コスト削減対策などである。 消費面における地産地消や日本型食生活の普及・推進においては、食農教育、学校給食への食材提供、ファーマーズ・マーケットによる拠点づくりの拡大などに取り組むことが必要である。 こうした自らの取り組み方針にかかげる課題をより説得力ある、達成に向けた力となる具体的な行動計画として全国、都道府県、JAの各段階ごとに策定し、組織全体が自らの問題として積極的に取り組んでいくことが何よりも大切なことである。 | ||
(2005.4.2) |
特集企画 | 検証・時の話題 | 論説 | ニュース | アグリビジネス情報 | 新製品情報 | man・人・woman |
催しもの 人事速報 | 訃報 | シリーズ | コメ関連情報 | 農薬関連情報 | この人と語る21世紀のアグリビジネス | コラム | 田園交響楽 | 書評 |
||
社団法人 農協協会 | ||
|