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コラム |
飽食・贅沢ボケ このところ農業をああだ、こうだの論議が盛んである。2003年3月の「農協のあり方研究会」答申のあたりから増え始め「食料・農業・農村基本計画」見直しでワッと出てきた。 ◆歴史無視した消費者視点 消費者の「各論」はこのようになっている。細かく規格別に分けて、専用の段ボール、パック、冷蔵とコストをかけるのは農家が価格を高くするためにやっているのではない。農家は畑で通いコンテナーに入れて、そのまま売場に届けるのが一番よいと思っていても、それではまともな価格では売れないからである。消費者の各論に合わせて、24時間いつでも、何処でも、欲しいだけ、と小売店が要求する「消費者ニーズ」に合わせた供給をしているわけである。 農村の景観も同じである。棚田を苦労して作っているのは都会の人を癒すためではない。ヒエ、アワではなくコメを作るために先祖から営々と築いてきた努力があの風景となっている。日本の気候、風土、集落の構成の中で景観ができている、まさに歴史の積み重ねであり、ディズニーランドのプラスティックの塊とは次元が違う。 農業、農村の高齢化があたかも農業の後進性を象徴しているかのようにいわれているが、高齢者が体力、能力に合わせて働き、日本の豊かな食生活を支えているのであるから立派なものだ。都会のリタイア組も定年後の人気は農業が上位を占める。 どの職業も他人がやっていることは簡単に見え、自分がやればもっとうまくできるハズと考える。 日本の食費は確かに高い。これは万人が認めるところである。総論と各論をうまく使い分けをしている贅沢ボケの「消費者ニーズ」を学者先生ご存じないか。 日生協も消費者の声として農業に提言をするのであれば、政府の「基本計画」を学者先生と一緒になってヨイショをせず、生活協同組合としての独自のご意見があればと残念である。(原田 康) |
(2005.7.5) |
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