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コラム 大宇宙・小宇宙
暦は400年周期


 ドニーオリンピックがいよいよ目前に迫った。

 リンピックの年は「うるう年」というのが常識であり、今回もそのとおり2月は29日であった。ところが、それは例外も例外400年に1度の例外である。
 日本が現行の暦を採用する以前は、太陽太陰暦で今の暦より1か月程度遅かった。
 れが、いまからほぼ130年前の明治5年12月3日を、明治6年1月1日とすることで、現在使っている暦が始まっている。

 ”ばし”は旧山一証券で一躍脚光を浴びたが、暦でも、ほぼ1か月ほどの”飛ばし”を行ったのである。

 のような経緯があるので、例えば、一般に元禄15年を1702年と表示しているが、赤穂義士の討ち入りの場合、同じ15年の12月14日であっても、西暦に直すと、1703年1月30日であり、1702年ではない。

 ”ばし”は日本に限らない。1582年、ローマ法王グレゴリオ13世は、当時の暦が実際の季節とずれているのを直すため、10月4日の次の日を、10日飛ばして、10月15日として新しい暦を作った。

 れわれが用いている暦は、ほかならぬこのグレグリオ暦である。
 年に1度やってくる「うるう年」を設けたのは、かなり以前からのことであったが、グレゴリオ暦では、(1)西暦年数が4で割り切れる年は原則として「うるう年」としたほか、(2)ただし、4で割り切れても、100で割り切れれば平年とした。

 うであれば、2000年の今年は平年の筈。ところが実際には29日になっている。なぜか。100で割り切れても、さらに400で割り切れる場合は「うるう年」とするという(3)の原則があるからだ。
 レゴリオ暦での1年の平均の長さは、365・242日。そこで、365日の平年を続けていると、4年で0・97日の積み残しが出てくる。

 のため、(1)のルールで、4年に1度、滞貨を一掃する。ところが、それでは逆に0・03日一掃し過ぎになるので、(2)と(3)のルールで調整する。
 まり、現行暦は、400年を周期として、同じパターンが繰り返される。2000年の今年は、400年前の西暦1600年の暦を取り出せば、曜日をふくめてそのまま使用できるという理屈になる。

 本では、当時、グレゴリオ暦を採用していたわけではないが、1600年は、歴史上の一大転機となった天下分け目の関ヶ原の合戦が行われた年である。
 史は繰り返すというが、400年後の日本は、経済、金融に対する外圧やら、17歳の少年たちの反乱で、未曽有の混乱に陥っている。

 のまま”日本沈没”にならぬよう、天下分け目の国難をなんとか乗り切りたいものである。

(MMC)


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