ファイザー(株)(ソーレン・セリンダー社長、本社:東京都渋谷区、資本金648億円)では、今年も「マツ材線虫病」(注1)による松枯れ防止のためのセミナーを、(財)日本緑化センターの後援のもとに全国5カ所で開催する(表)。
日本国内では、松枯れに関する研究や防止活動が各地で進められているが、松島(宮城県)などの景勝の松や防風・防砂林としての重要な松が松枯れの深刻な被害に直面しているのが現状。被害の発生は1900年代初頭まで遡り、北米から輸入した松材から「マツノザイセンチュウ」(注2)が日本に上陸したためと推測されている。
一度「マツ材線虫病」にかかってしまった松は、枯死を免れない。同社では、松や松枯れについて正確に把握し、その対策技術の知識や現状について理解を深めていくために本セミナーを開催している。今年度で21回を数える。
講師には真宮靖治氏(元玉川大学農学部教授)を迎え、マツ材線虫病についてその実態と問題点について具体的なデータなどを紹介しながらわかりやすい内容で進められる。
(注1)「マツ材線虫病」 マツノマダラカミキリを媒介者とした、マツノザイセンチュウという線虫が引き起こしている。一般に松くい虫被害と言われているが、正しくは「マツ材線虫病」。
(注2)「マツノザイセンチュウ」 動物に寄生する回虫、ぎょう虫、十二指腸虫などとともに線形動物門に含まれる線虫の一種。松の樹脂道の中で「産卵→幼虫→成虫→交尾→産卵」の段階をわずか4〜5日間で終わり、松の中で驚異的に増殖する。
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