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農政.農協ニュース |
形質米の様々な特徴を説明 〈全中ライスミーティング〉 (2/22) |
今回は『形質米〜最前線』をテーマに、(独)農業・生物系特定産業技術研究機構作物研究所の加藤浩氏を講師に行われた。形質米は、農水省が1989年に始めたプロジェクト「スーパーライス計画」から生まれたさまざまな特徴を持つ個性的な米。香りが強いもの、粘りがあって食味の良いもの、大粒なものなど、多様な消費者ニーズに応えるためいろいろな品種が開発されている。 加藤氏は「今、米の消費が大きく落ち込み、全国で約100万haが休耕田となっている。そんな状況の中、米消費拡大をめざし、形質米の研究でこれまでにない特徴を持った米を作り出し、消費者ニーズに合った需要を掘り起こそうとしている」と、形質米研究の目的を語った。アミロース含有量5〜15%で粘りが強い『低アミロース米』、アミロース含有量25%以上で粘りが少なくライスヌードルなどに合う『高アミロース米』、タンパク質(グルテリン)割合が少なく酒米に用いられる『低グルテリン米』、米アレルギーの原因の一つである16kDaグロブリン含有量が少ない『低アレルゲン米』、玄米の果皮等に色素を持っている『色素米品種』、炊飯米に独特の香りがある『香り米品種』など、開発された形質米それぞれの特徴を説明し、全体としてまだ作付面積は少ないが、今後確実に消費者に受け入れられるのではないか、との見通しを述べた。 そのような多様な特徴を持った米が出てきている一方で、「昨年度の作付け面積の上位は、コシヒカリ38.1%、ひとめぼれ10.6%、ヒノヒカリ10.2%、あきたこまち9.0%などとなっており、かなりの部分をコシヒカリとその子孫の系統が占めている。単一品種(コシヒカリ系統)が圧倒的な作付シェアを占めることは、自然災害等のリスク回避という点では危険な状態にあるといえる。しかし、市場でのコシヒカリのブランド力は強く、価格の面で生産者の目がコシヒカリに向けられることは仕方ない面もある」と、加藤氏は指摘する。
普段何気なく食べているお米だが食べ比べてみると、匂い、味、食感などがかなり違うのに驚かされる。お米の多様性を改めて認識した。 |
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(2006.2.24) |
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