農水省は8月29日、18年産水稲の作柄概況(8月15日現在)を公表した。
早場地帯19道県(8月15日現在の出穂済面積が平年ベースで約8割以上となる県)では、「平年並み」見込みが10道県、「やや不良」見込みが9県となった。これは田植え期以降、日照不足が続き、梅雨明け以降はおおむね天候には恵まれているが、「全もみ数」が平年並みか、少ないため。地帯別の作柄をみると、北海道の石狩、南空知のみが「やや良」で「良」の地帯はなく、ほかはすべて平年並みかやや不良となった。
作柄の「平年並み」は作況指数99〜101、「やや不良」は95〜98に相当する。
一方、遅場地帯の生育状態も、日照不足の影響で「やや不良」が19都県、「平年並み」が8県となった。
また、ほぼ収穫が終わった早期栽培地域の作況は、徳島96、高知93、宮崎100、鹿児島99、沖縄95と見込まれている。
同日に開かれた水稲作況委員会は、8月に入り気温は平年を上回り、今後も全国的に晴れの日が多いと予想されることから、太平洋側の南東北から関東を除き、概ね順調な推移を見込んだ。ただし、宮城、福島から千葉にかけての太平洋側では日照不足で生育の遅れなどがあるため、今後の調査では品種・地域別の出穂遅延程度を正確に把握する必要があると指摘した。
また、梅雨明け以降、急激な高温と多照傾向が続いている地域では、高温障害に留意する必要があるとした。そのほか、日照不足で全体に稲が軟弱徒長の傾向があるため、カメムシ、いもち病の発生にも注意を促した。
次回は9月15日現在の作柄概況が公表される。
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