農水省総合食料局は、米の農産物検査等検討会を設置し、10月6日に第1回目の検討会を開いた。
検討する課題は、米の農産物検査における異品種混入限度の設定の是非等について。
米の農産物検査で登録検査機関が証明するのは、品位規格(=等級)、産地品種銘柄(=道府県などの産地と品種)、年産(=生産年)の3項目。農産物検査員が玄米を目視で判定する。
産地品種銘柄の判定は、検査員が事前に得る品種関連情報などを参考に粒形、色沢などにより判定している。異品種が混入している場合は、産地品種銘柄の証明は受けられない仕組みで、最も厳しい制度になっている。
農水省が平成16、17年産米で産地品種銘柄の証明を受けた玄米をDNA分析により品種判別調査をしたところ、産地段階で異品種の混入が確認されたという。両者の不一致の比率は16年産が1.9%、17年産が0.8%。
これまでも、平成14年7月〜10月に開催された米の表示等についての検討会でとりとりまとめられた「米の表示・検査制度の見直しの方向」のなかで、「不可避的に生じる、意図しない混入の水準を検証の上、一定の許容範囲を設定・表示する」必要性が指摘されていた。
第1回検討会では、これまでの経過の説明、質疑、意見の表明などがおこなわれた。意見では不可避的な異品種の混入は許容せざるを得ないとの意見が大勢だった。今後、許容の基準、留意点などが検討される。
第2回目の検討会は、12月に開催される。
検討会委員は次の通り。
▽大泉一貫(宮城大学事業構想学部長)【座長】▽小笠原荘一(日本チェーンストア協会常務理事)▽神田敏子(全国消費者団体連絡会事務局長)▽長谷部喜通(日本米穀小売商業組合連合会理事長)▽原勝(全国農業協同組合連合会米穀部長)▽佛田利弘(株式会社ぶった代表取締役)▽古橋政弘(全国米穀販売事業協同組合常務理事)▽山口勝朗(財団法人全国瑞穂食糧検査協会理事長)▽山根香織(主婦連合会副会長)
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