農水省が公表した10月15日現在の18年産水稲の作況は全国で「96」となった。9月15日現在より1ポイント低下した。
地域別の作柄は北海道では登熟も順調で作況は「105」、10aあたり収量は558kgの見込み。東北では登熟は順調だがもみ数が少ないことから作況「99」で549kg、北陸は「100」で535kg、関東・東山は「96」で512kgの見込み。また、東海は「98」で493kg、近畿は「98」で499kg、中国は「95」で490kgと見込まれている。
一方、四国はもみ数が少なく登熟も平年を下回るとみられ作況は「94」で収量457kgとなっている。
また、九州を中心とした台風13号による潮風害などの被害が発生したことなどから、九州は「78」となった。なかでも佐賀は「49」と戦後最低で、長崎「68」、大分「79」、福岡「76」、熊本「85」、宮崎「95」、鹿児島「91」と不作。
豊作となったのは北海道「105」、富山「102」の2道県のみとなった。 昨年は10月15日時点で全国作況が101となったため、一部の県で豊作による過剰分を区分出荷する集荷円滑化対策が発動されたが、今年は発動されないことが決まった。
過去5年の全国の作況は13年「103」、14年「101」、15年「90」、16年「98」、17年「101」となっている。 18年産水稲の作付け面積は168万4000ha(青刈り分除く)で前年産にくらべて1万8000ha(前年比1%減)となった。他作物への転換による。
全国の作況「96」の10aあたり収量は508kgが見込まれ、これに作付け面積をかけると予想収穫量は854万7000トンとなる。
このうち15万トンが加工用に仕向けられる見込みで主食用は840万トン程度になる。農水省の米の需給見通しでは18/19年は844万トンで、不作でも需給は均衡することになる。
これは米の作付け面積が前年より減少したとはいえ、生産目標数量833万トンに相当する作付け面積より過剰となっているため。生産目標数量に相当する作付け面積は157.5万haで全中の試算では約8万haの作付け過剰となっているとみられる。
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