農水省は11月30日、19年産米の都道府県別需要量に関する情報を示した。「需要量に関する情報」は、19年産から米の需給調整が農業者・農業者団体の主体的な取り組みシステムに移行することにともない、これまでの生産目標数量に替わり国が提供する情報。
全国ベースの19年産米の需要量は24日に食糧部会で828万トンとすることが了承された。その際、都道府県別の需要情報は過去6年の重要実績のうち最高・最低値を除く4年の実績平均値(6中4)で決めることのほか、前年産米の需要実績を上回る生産があった場合は、過剰生産分を削減することを決めた。
18年産米の生産目標数量は833万トンだったが農水省によると今年が平年作であれば875万5000トン程度だったと推計し、このうち面積配分をする基準反収が要因となった分を除く、主食用の生産数量は869万6000トンとしている。生産調整の取り組み状況としては36万5000トンもの過剰が発生している計算になる。
生産調整の達成・未達成という面から都道府県別の状況をみると、未達成府県は26に達する。過剰作付け面積は6万9000ヘクタール程度になる。
需給均衡のためには過剰作付けを解消する必要があるが、19年産で過剰作付けを大幅に解消するために、過去の重要実績と今後の米消費減少トレンドから算出した833万トンよりさらに5万トン減としたため、19年産の取り組みとしては全国で7万7000ヘクタール、41万2000トンを削減するという厳しい目標となった。 そのため、18年産の生産目標数量にくらべて過去の需要実績から算出された需要量としては増加している県は17あるが、今年の実際の生産量をふまえると17県中7県では作付け面積を逆に減らさなければならない状況だ。828万トンの作付け面積を18年産全国平年収量10aあたり529kgで試算すると、156万6000ヘクタール程度となる。
今後、需要情報をもとにJAなど生産調整方針作成者は販売戦略などももとにして、地域協議会で自らの生産数量目標を決定し、生産調整方針に参加する生産者に配分していくことになる。農水省では「この需要量に関する情報を尊重してほしい」としている。
|