JAグループは19年産米で計画生産を徹底するため都道府県段階で「行動計画」の策定・点検運動を展開することを決めた。
18年産の作況は「96」で確定したが、これが平年作であれば40万トン以上の米が過剰となった。作付け面積にして8万ヘクタールとされる。過剰作付けは16年産では全国で4万ヘクタールだったが17年産で6万ヘクタールと年々増加してきた。
そのため19年産の需要見込み量は835万トンだが、農水省の米の「基本指針」では18年産生産目標数量オーバー分7万トンを過剰作付け県から削減し828万トンとした。18年の実作付け面積からの削減すべき面積は全国で7.7万ヘクタールになる。
JAグループでは過剰作付け削減・解消に向けた計画生産の徹底による需給安定は、担い手づくりとともにグループ「最大の課題」と位置づけ、行政などと一体となった「行動計画」を策定し点検していく運動を展開することなどを盛り込んだ「19年産米の計画生産の徹底と新たな政策へのJAグループの取り組みに関する決議」を12月5日のJA中央会・全国機関会長会議で採択した。
「行動計画」は都道府県ごとに、過剰作付けの状況と要因分析や、生産調整方針への非参加者の誘導など実施活動を盛り込み1月末までに策定する。策定は都道府県協議会・行政と一体で進める。
策定後は、都道府県協議会と連携し、JA・地域協議会の取り組み把握や進行管理を徹底するほか、全国段階へ課題報告なども行う。 また、JAグループは「新たな地域水田農業ビジョン実践全国運動方針」も決めたが、品目横断的経営安定対策の対象者は生産調整の実施が要件になっていることからビジョン実践運動のなかで、計画生産を実施する担い手づくりを徹底していく。そのほか、産地づくり交付金や非担い手を対象にした稲作構造改革促進交付金も生産調整の達成によって支払われることから、これらの交付金を活用した計画生産の取り組みも一体として進めて行く方針だ。
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