農水省は9月7日、『平成18年度病害虫発生予報第7号』を発表した。稲のトビイロウンカおよび果樹カメムシ類、かんきつのかいよう病などに注意が必要だ。散布に当たっては薬剤のドリフト(飛散)に気をつけ、収穫期を迎えた作物では散布時期にも注意を。
トビイロウンカ(注1)の発生は近畿、四国および九州の一部地域で「多い」となっている。宮崎では警報が発表された(8月18日)。注意報は大分、佐賀、山口の3県。
昨年同様、九州では発生密度が高くなっており、このまま高温が続けば発生量がさらに増加することが懸念されている。本田の見回りを徹底。薬剤散布に当たっては株元散布の実施を。
果樹カメムシ類(注2)の発生は関東、東海、近畿、中国および九州の一部地域で「多い」となっている。注意報は山形、神奈川、岐阜、福岡、和歌山の5県。果樹園の観察をキメ細かく行い、飛来を目撃したら速やかに薬剤散布を。
かいよう病(注3)の発生は四国および九州の一部で「多い」となっている。伝染源となる罹病葉および罹病枝は剪除し、確実に園外への除去・処分を。特に、台風など風雨が激しかった後にはその発生が助長されることから注意を。
(注1)トビイロウンカ:漢字では「鳶色浮塵子」と書く。ウンカの一種で、全長約5mmの長翅型と約3mmの短翅型がある。全身褐色。イネの大害虫で、特に収穫期に被害が大きいことから「秋ウンカ」と呼ばれている。
(注2)カメムシ:「椿象・亀虫」の2つあるが「椿象」と書くのが正解か。半翅目(はんしもく)カメムシ科の昆虫の総称。体長は2〜40mmで、体形・色はさまざま。多くの植物から吸汁する。果樹カメムシ類は特定されているが、日本に生息するカメムシは約90種と言われている。
(注3)かいよう病:前年に発病した夏秋枝が伝染源として重要となる。エカキムシ(ハモグリガ)は発病を助長すると言われている。傾向として、傷感染することから風が強いほ場での発病が多い。
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(左から)トビイロウンカ(長翅型成虫)・チャバネアオカメムシ(なし)・果実における典型的なかいよう病の病徴
(写真提供:静岡県植物防疫協会) |
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