17年末に決まった18年度予算で農林水産予算は17年度予算にくらべて1370億円減の2兆8300億円となった。
来年度の農水予算の重点は、品目横断政策への移行で焦点となる担い手育成対策と輸出促進、食育推進など。
担い手育成支援では集落営農の育成、確保策が新規事業として予算が確保されたことが目玉となっている。集落営農の育成に向けて事例についての調査・研究と、JA関係者などが現場で支援していくためのサポートツール開発をはじめ、技術・営農支援など、集落営農関連対策で37億9000万円を確保した。
また、区画整理、農業用用排水施設、農道などの整備も集落営農を育成する観点からの基盤整備事業として10億円を新たに確保している。
輸出促進も新たな農政の柱で5年後に6000億円をめざすとしているが、18年度は12億円と17年度の6億5000万円の約2倍を確保した。輸出拡大に向けてマーケティングや販売促進に取り組む民間団体に展示会・商談会の機会提供、常設店の拡大などを支援する。政府が掲げる攻めの農業の推進の一端だ。
また、昨年6月に成立した食育基本法に基づき、にっぽん食育推進事業も17年度の6億円から39億円に拡充して推進する。「食事バランスガイド」を活用したファミリーレストラン、コンビニなどのモデル的な事業の支援、パンフレットなどによる普及のほか、米を中心とした日本型食生活の普及、啓発のための稲作体験学習、学校給食での実践、国民運動として展開するためのシンポジウムなどの開催を実施していく。
予算原案の決定を受けて中川農相は「厳しい財政のなかで緊張感を持って改めて(農政に)取り組みたい。21世紀型の食料、農業、農村政策の具体化をめざす。食育や輸出促進支援といったソフト事業は生産者にとってもメリットになると思う」などと語った。 |