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体験発表する学生 |
(社)全国食肉学校は1月13日、同校大教室で17年度総合養成科の郊外実習体験発表会を開催した。
発表会は同校教育指定店で実施した校外学習の体験を発表し、その成果を互いに共有し、認識を深めるとともに、校外学習のさらなる充実と強化をめざし行われる。13名の総合養成科学生が昨年10月5日から12月27日までの61日間、授業時間にして488時間、スーパーマーケットやメーカー、小売店などの教育指定店で行った実習の体験を、一人ひとりがテーマを決め約10分間の持ち時間で発表した。
同校では、教育理念である「産学協同による実践教育と心豊かな人間形成」を実践する場として郊外実習体験に力を入れており、9月までの前期で基礎教育を行い、応用の場として校外実習体験を位置づけている。受け入れ側の教育指定店でも学校と密接に連絡をとり、指導員を配置するなど実習の効果が十分発揮されるよう配慮している。
■実習中のミスをテーマに原因を探る
今年は商品訴求のポイント、商品管理のポイント、無駄のない処理方法、ハム、ソーセージの製造方法、接客対応のポイント、盛り付け方法などがテーマに選ばれた。無駄のない処理方法をテーマに選んだ学生は、「実習中にお客さんの注文とは違う商品を作り、返品扱いで結局売れ残ってしまい、小さなミスで大きなロスを実感した」ため、そのようなミスがなぜ起こったかを考えるヒントとしてこのテーマを選んだと述べ、「原料処理の段階でどこに注意してロスを減らし、段取りよくスピーディーに原料を処理するにはどうすれば良いか」を、豚ロース部位の商品作りを例に発表した。
また、商品管理のポイントを発表した学生は、「食肉を扱う上で、鮮度を保ちロスを出さないよう的確に商品を管理する」ことが重要だと考え、商品管理をテーマに選んだ。▽ロットによる在庫管理、▽枝庫、チルド庫の整理整頓、▽毎日棚卸しの実施、▽豚肉のチルドから、真空包装またはフローズンへの移行処理が商品管理のポイントで、各ポイントを確認しながら商品管理を行ったことが写真、図表などを使い要領良くまとめられていた。
実習先で指導員から実際に即して教えられたことが印象に残ったようで、指導員から指摘されたことをテーマに選んだ学生が多かった。発表の最後に学生は、「この校外実習体験が自分にとって、今後の進路を決める上で大変参考になり、有意義であった」と一様に感想を述べていたのが印象的であった。発表終了後、専任講師から一人ひとりの発表に助言指導が行われ、理解を深めるのに役立っていた。発表会には実習先である教育指定店の指導者、父兄、学校関係者などが参観し、最後まで学生の発表を熱心に聞いていた。
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