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農政.農協ニュース |
「ドリフト」対策でシンポ 官民一体となった指導を −日植防 |
今年5月29日施行のポジティブリスト制度の導入を前に、関係者の関心は高く行政、研究機関、JA関係者、農薬および防除機メーカーなどから主催者の予想を大幅に上回る約850名が参加した。 冒頭、挨拶に立った管原理事長は「ドリフト(農薬の飛散)については、これまでも防止対策を図ってきた。5月から食品衛生法によるポジティブリスト制が施行される。対象農薬に隣接して栽培している農地へのドリフトを、いかに減らすことができるかが問われている。ドリフト問題についてはこの2年間、農水省の助成を受け、防除機メーカー、指定研究機関などが協力して、実態調査、有効方策などドリフト低減に向け試験・検討を行ってきた。シンポジウムでは、それらの成果を講演して頂くとともに、パネルディスカッションで問題点などを明らかにしたい」と、講演やパネルディスカッションが参加者の今後の活動に役立つことを期待した。 講演は、農林水産省消費・安全局植物防疫課の安藤由紀子氏、(社)日本植物防疫協会の藤田俊一氏、ヤマホ工業(株)の東恵一氏、(社)農林水産航空協会の斎藤武司氏が、ドリフト対策について報告した。 安藤由紀子氏は、「農業生産の現場で、ポジティブリスト制度の導入を混乱なく迎え、ドリフトによる周辺作物への影響防止を効果的に行うためには、関係行政部局、市町村、生産者団体、農薬販売業者などの連携した取り組みが必要」だと強調した。 また、藤田俊一氏は、「生産者に安心してもらえる散布技術を提供していくことは、関係者の使命」と、散布技術の開発を進める必要性を訴えた。 パネルディスカッションでは、「ドリフト対策をどう進めるか」をテーマに、藤田俊一氏を司会に進められた。参加者は、横田敏恭氏(農林水産省農薬対策室)、安藤由紀子氏、永山敏廣氏(東京都健康安全研究センター)、中村幸二氏(埼玉県農林総合研究センター)、國本佳範氏(奈良県病害虫防除所)、松尾一穂氏(JA全農営農・技術センター)、近藤俊夫氏(協有アグリ(株))、中村駿介氏((株)共立)。 JA全農営農・技術センターの松尾一穂氏は、「JA全農は昨年12月に県本部・経済連を集め、農家やJAに向けた説明をするための研究会を開催した。また、”農薬散布に気をつけよう”というリーフレットを100万部印刷したり、残留農薬基準を有効成分からだけでなく作物からも調べられるようなデータベースとして、JPPネットのオプション機能で検索できるようにした。行政とも相談して、官民一体となって農家を指導していきたい」と、JAグループの役割の重要性を強調した。 また、農水省農薬対策室長の横田敏恭氏は、「ポジティブリスト制度が施行されると、すべての農薬と作物の組み合わせについて基準ができて大変だという人がいるが、問題はもともと農薬については農薬取締法があるという前提を抜きに、ポジティブリスト制度のみを語るところにある。農薬には登録制度があり、さらに食品安全委員会で評価されるなど、使用基準も設定されている。その使用基準のなかでは、使用できる作物も使用時期も回数も決まっている。そのような話をしてから、ポジティブリスト制度を説明すると分かってもらえる」と、ポジティブリスト制度への理解を求めると同時に、同制度の施行にともなってドリフト対策も欠かせないと述べた。 |
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(2006.1.27) |
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