農業協同組合新聞 JACOM
   
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のどの渇きを潤すシーンの飲用減少
「コク」や「まろやかさ」への期待は低い
牛乳・乳製品の消費動向に関する調査結果
−日本酪農乳業協会 (2/2)


 (社)日本酪農乳業協会はこのほど、2005年度の「牛乳・乳製品の消費動向に関する調査」の結果を公表した。同調査は1987年から実施しており、全国の13歳以上の消費者に対し、牛乳・乳製品に関する購入実態、飲用実態、意識や知識などを調査し、消費の構造や動向などを把握し、牛乳・乳製品の消費拡大方策を探るための資料づくりを目的に実施している。今回の調査は、昨年5月から6月にかけて、全国の男女6000人を抽出し、3896人から回答を得た(回答率64.9%)。牛乳類の消費量は、1994年をピークに減少が続いている。このため、「消費者がなぜ牛乳から離れていったのか」をあきらかにし、今後の消費拡大に向けての手がかりとする。

■のどのかわきを潤す飲料としての機能は弱まる

 牛乳を毎日飲む人は40%、週に5〜6日飲むという人を合わせると、全国の13歳以上の人の約半分がほぼ毎日牛乳を飲んでいる。ほぼ毎日飲む人は、5年前と比べると大きな変化はないが、10年前と比べると5ポイント以上減少している。割合では、男女とも中学生は8割前後と高く、逆に、男女とも20代は3割前後と低くなっている。
 また、1日あたり最も多く牛乳を飲用しているのは男子中学生で平均325ml、その次は男子中学生を除く10代男性の227ml、そして女子中学生の211mlと続く。最近3年間の飲用量について見ると、全体ではほとんど変わっていないが、男子中学生、10代女性、40代女性が増加している。一方、20代男性は減少している。
 白もの牛乳を飲むのは「のどがかわいたとき」「朝食をとりながら」「おやつや間食時」が約4割。2002年と比較すると、飲用シーンのトップである「のどがかわいたとき」が、10ポイント程度ダウンしている。また、「風呂上がり」で飲むシーンも10ポイント以上ダウンしている。このことから、のどのかわきを潤す飲み物としての牛乳の機能が弱くなっていることが伺える。飲む量が減っていると感じている人に、白もの牛乳のかわりになにを飲んでいるかと聞いたところ、「無糖のお茶飲料」が6割で最も多く、「コーヒー」が3割強で続いている。2003年と比較すると白もの牛乳のかわりに「無糖のお茶飲料」、「野菜ジュース」、「豆乳」を飲んでいる割合が多くなっている。
 白もの牛乳類をほぼ毎日買う人は18%で、週に2〜3くらい買うという人が42%。5年前、10年前と比べて購入頻度も減少している。

■5割以上の人が、週1回以上ヨーグルトを摂取

 ヨーグルトの飲用実態は、「毎日食べたり飲んだりする」が17%、少なくとも週1回以上ヨーグルトを食べたり飲んだりする人の割合は5割以上になる。ヨーグルトのタイプはプレーンが最も多く、加糖や手作りタイプを食べる人は減少している。ヨーグルトを最も多く食べるのは男子中学生で、1日あたり平均56g、女子中学生や50代、60代も平均50g以上摂取している。一方、白もの牛乳の飲用量が少ない20代〜50代の男性はヨーグルトの飲食量も少ない。協会がキャンペーン実施中の『3-A-Day』について実践状況や意識をきたところ、毎日実践していると答えた人が約1割で、2004年からの変化はみられない。今後、実践してみようと思うかについては、「とてもそう思う」、「まあそう思う」合わせて7割で、2004年に比べて実践しようと思っている人が増加している。

■「コク」や「まろやかさ」への期待が低い

 今回の調査では牛乳には、「太る、カロリーが高い」という飲用に対して否定的な意識が強く、「肥満・生活習慣病が気になる」という健康意識の変化に対応していない。また、飲料全体では、「すっきり、さっぱり」志向が強く、牛乳の特徴である「コク」や「まろやかさ」への期待は低いことが明らかになった。

(2006.2.2)



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