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18年度の牛乳及び牛乳製品需給見通しを発表
 −日本酪農乳業協会 (1/27)

 (社)日本酪農乳業協会は1月27日、「18年度の牛乳及び牛乳製品の需給見通しについて」を発表した。
 それによると、17年度の生乳生産、牛乳等消費の動向については、全国の生乳生産は対前年比100.2%とわずかに増加。一方、牛乳の消費は96.6%と減少。加工乳・成分調整牛乳・乳飲料およびはっ酵乳の消費は増加した。また、用途別処理量では、牛乳等向生乳処理量は、対前年比96.7%と減少、しかし、乳製品向処理量は同105.4%と増加した。乳製品向のうち、その他の乳製品向処理(生クリーム・チーズ等仕向け)は大きく増加したが、特定乳製品向数量(脱脂粉乳・バター等仕向け)は219万トンで限度数量を大幅に上回った。
 脱脂粉乳・バターの生産量は大きく増加。脱脂粉乳は17年度中に、過剰在庫対策(輸入品との置き換えによる新規需要拡大)が3万2000トン実施される見込み。脱脂粉乳の消費量は、過剰在庫対策の効果により103.4%と増加、バターの消費量は94.1%と大きく減少した。脱脂粉乳の期末在庫は8万3000トン・5.3ヵ月(16年度期末在庫対比:マイナス5000トン)、バターの期末在庫はカレント輸入売渡分を4400トンとすると3万1000トン・4.2ヵ月(同:プラス5000トン)。

■18年度の生乳生産、牛乳等消費動向

 18年度の生乳生産、牛乳等消費の動向については、全国の生乳生産は、対前年比99.2%とわずかながら減少。牛乳の消費も98.1%と引き続き減少する見込み。加工乳・成分調整牛乳、飲料用の消費は101.0%、はっ酵乳の消費は100.2%と若干増加。用途別処理量では、牛乳等向生乳処理量は98.4%で引き続き減少。また、乳製品向処理量は100.3%で若干増加。乳製品向のうち、その他乳製品向(生クリーム・チーズ等仕向け)は堅調な推移が見込まれるが、特定乳製品向数量は218万トン程度で、前年度と同水準。
 また、脱脂粉乳、バターの生産量はわずかながら減少。脱脂粉乳の消費量は、過剰在庫対策を織り込まない17年度の自然体の消費量との対比では、101.0%と若干の増加。バターの消費量は、17年度減少した反動で101.6%と増加する。脱脂粉乳の期末在庫は、在庫対策を想定しない場合で、10万9000トン・6.7ヵ月(17年度期末在庫対比でプラス2万5000トン)、バターの期末在庫は、カレント輸入売渡分を8600トンとすると、3万8000トン・5.4ヵ月(同プラス7000トン)。バターの期末在庫は、17年度・18年度とも、年間義務輸入量である8600トンが売渡された仮定した場合、期末在庫は4万2000トン・6.0ヵ月。

■乳製品の過剰在庫解消・需給改善等図る

 18年度の需給調整をめぐる主要な課題として、以下の課題をあげている。

○乳製品の過剰在庫解消・需給改善
 ▽輸入調整品等の国産への代替等を通じた、脱脂粉乳の消費拡大(脱脂粉乳過剰在庫対策)の強化。
 ▽バターについても需給に即し、必要な消費拡大対応による在庫の積み増し防止を図る。

○生乳需給安定化への酪農乳業の共同の取り組み
 ▽牛乳消費拡大の積極的な取り組みや新規需要開拓。
 ▽液状乳製品・チーズ向け乳量の拡大や新規需要開拓。
 ▽加工乳・乳飲料・はっ酵乳等も含めた消費拡大。

○需要に応じた生乳供給の徹底
 ▽乳製品の在庫水準を意識した、需要に合った適切な生乳計画生産・需給調整対策の策定と実施。

○安定的・弾力的な需給調整の推進
 ▽必要に応じ、全国的な生乳供給調整を推進。
 ▽広域流通生乳を適切に活用した原料乳の安定的で弾力的な供給。
 ▽指定団体機能の更なる強化。
 ▽需要期に必要な生乳生産確保と、不需要期の生乳生産抑制の強化。

○その他の需給調整に係る課題
 ▽需給情報の把握と共有化について、酪農乳業関係者の取り組み強化。
 ▽都府県における余乳処理のあり方、需給調整リスク平準化等についての酪農乳業による協議・対応。
 ▽WTOの影響等も想定した中長期的な需給見通しの作成・共有化、酪農乳業の必要な将来的な対応等についての検討。

(2006.2.7)


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