JA全農は2月2日の経営役員会で「18年度事業計画および新生プラン」案を決めた。
全農は昨年7月策定の「改革実行策」、9月策定の経営理念をふまえ、12月には「改善計画」を策定しているが、今年3月の総代会に向けてこれを「新生プラン」と位置づけた。
また、18年度が新生プランの初年度であることから来年度事業計画にもこれを反映させ、総代会に諮る「18年度事業計画および新生プラン」案として、この日、了承されたもの。全農では、今後の事業体制の検討と第24回JA全国大会決議をふまえ、19年度から3年間の中期計画を改めて策定する。
重点実施事項は、担い手対応の強化、生産者の手取り最大化など新生プランで掲げた「使命の着実な実践」と「新生プランの実践を支える仕組みづくり」の2つを掲げた。
担い手対応の強化では、18年度は総額11億円規模の生産資材の大口対策などを実施、拡大するほか、全県本部に担い手対応の専任部署を設置して地域ごとに担い手対応マスタープランを策定のうえ、JAの担い手対応策を支援する。
生産者・組合員の手取り最大化の課題では、▽米販売での販売対策費廃止の実施、▽園芸、畜産での販売事業の会社化、▽生協・量販店への総合販売の強化、契約栽培などによる販路拡大などに取り組む。
購買面では▽生産資材重点品目の総額18億円規模の価格引き下げ、▽県別の「生産資材コスト低減チャレンジプラン」によるジェネリック農薬や低コスト原紙など低コスト資材の普及、拡大を図る。
物流対策では、広域物流の導入JAをさらに拡大し、4半期ごとに広域物流導入JAの進捗管理を実施する。
農産物輸送運賃では競争原理をさらに導入するなど、コスト削減と情報提供を進めるほか、県域の運送子会社と全国域の物流子会社の統合1社化の準備を進める。
また、農業生産事業支援の仕組み、総合販売の強化、環境保全型農畜産物生産・販売モデル事業など、新たな事業について検討し、中堅職員で構成するチームで全農の将来像を考え次期中期計画に反映させる方針も盛り込んでいる。
一方、新生プラン実践を支える仕組みづくりでは▽経営合理化の取り組み▽人事・財務・監査など統一基準設定と地域重視の事業機能の確立▽子会社管理態勢の強化・再編合理化▽内部統制システムの構築などをあげた。
■5兆4000億円を計画 18年度の経営計画では、米をはじめ農産物価格の低迷、生産・生活資材の需要低迷など厳しい事業環境のもとで17年度比95%の5兆4000億円の取扱高とした。販売事業の競争力強化を目的に園芸販売と食肉販売部門で新会社を設立するため、園芸で888億円、畜産で1817億円の取扱高が減る。ただし、原油価格の高騰で燃料部の取扱高が1105億円増加する見込みとなっている。
全農では今回の18年度事業計画と新生プランについては3月上旬の地区別総代会前の2月中に各県でできるだけJA組合長会議を開催して新生プランついての説明を行う予定だ。
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